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第395号 2018・11・11

■■ はじめに ■■

みなさん。おはようございます。

前回、解説した民法448条ですが、改正民法について触れていなかったので、少しだけ補足させていただきます。

主債務者が、主債務の目的または態様を当初のものより重いものに変更したとしても、保証債務の内容は当然に変更されることはありません。

これも保証の付従性の1つの現れですね。

例えば、乙が甲に対して100万円の債務を負っていて、その債務を丙が保証したとします。

その後に、乙の甲に対する債務が150万円に変更されたとしても、丙の保証債務は150万円に変更されないという事です。

もちろん、後ほど甲丙間で保証債務を150万円に変更する契約などが締結された場合には、保証債務も150万円に増えますが、当然に自動的に変更されることはないということです。

このことは、以前から保証の付従性より認められていたのですが、今回の民法改正によって、それが2項によって明文化されました。

念のために改正民法を掲載しておきます。

【改正民法第448条】

1項
保証人の負担が債務の目的又は態様において主たる債務より重いときは、これを主たる債務の限度に減縮する。

2項
主たる債務の目的又は態様が保証契約の締結後に加重されたときであっても、保証人の負担は加重されない。

明文化されていなかったものが明文化されただけなので、改正によって楽になりましたね。

理由を聞かれたら「条文に書いてあります。」と答えればいいだけなので。

それでは、始めていきましょう。

▼▼▼ 第449条(取り消すことができる債務の保証) ▼▼▼

行為能力の制限によって取り消すことができる債務を保証した者は、保証契約の時においてその取消しの原因を知っていたときは、主たる債務の不履行の場合又はその債務の取消しの場合においてこれと同一の目的を有する独立の債務を負担したものと推定する。

■■ 解説 ■■

主債務が、取り消されることによって初めから成立しなかったことになれば、保証債務の付従性から、保証債務も成立しなかったことになり、保証人は保証債務を免れるのが原則です。

この原則論が分からない人は、民法446条の解説の成立における付従性の部分を読んで下さい。

民法446条の解説 → https://www.mainiti3-back.com/g/392/

しかし、保証人が、主債務が行為能力の制限を理由に取り消されるかもしれないことを知りながら、これを保証した場合は、主債務が取り消されたとしても、例外的に保証人は保証債務を負います。

これを規定したのが今回の民法449条です。

例えば、甲が未成年者の乙に10万円を貸しました。その乙の10万円の債務を丙が保証したとします。

この時に、乙は法定代理人の同意を得ていなかったので、甲乙間の契約が取り消されました(5条1項、2項)。

保証人丙は保証契約を締結した時に、乙が未成年者であり、法定代理人の同意を得ていないことを知っていました。

このような場合、主債務者乙は債務を免れますが、保証人丙は債務を免れません。

取り消される可能性のある原因を知っていながら、わざわざ保証したのだから、もし取り消されたとしても、保証人には責任を負ってもらうのが妥当だと考えられるというのが趣旨です。

注意しなければならないのは、449条が適用されるのは、行為能力の制限によって取り消された場合だけだということです。

具体的には、未成年者(5条2項)、成年被後見人(9条)、被保佐人(13条4項)、補助人(17条4項)の取消しの場合だけです。

詐欺や強迫による取消し(96条1項)の場合には、449条は適用されません。

「主たる債務の不履行の場合」というのは、意味の無い文言だと考えられています。

なぜなら、主たる債務が不履行ということは、主債務がまだ取り消されていない状態ですし、その債務が不履行になったのだから当然保証人は責任を負うからです。

そもそも保証というのはそういう時のための制度でしたよね。

意味があるのは「その債務の取消しの場合」です。

主債務が取り消された場合、「同一の目的を有する独立の債務を負担した」ものと推定されます。

先ほどの具体例で言えば、保証人丙は独立の10万円の保証債務を負担することになります。

さらに、取り消しによって債権者甲が被るであろう損害も担保すると推定されます。

保証人は、主債務が取り消されるかも知れないことを知って、保証したのだから、取り消しによって生じる損害についても担保する意思があったと考えるのが妥当だからというのが趣旨です。

■■ 豆知識 ■■

449条は、あくまで推定されるだけの条文ですので、その推定を破るような特約があれば、そちらが優先されます。

例えば、先ほどの例で、丙は乙が未成年者であり法定代理人の同意が無いことを知っていたけれども、もし、主債務が取り消された時は、保証債務は一切負わないという特約があったような場合です。

このような場合には、保証人は責任を免れます。

ちなみに民法449条は改正されていません。

■■ 編集後記 ■■

今回の条文は、保証の付従性の原則に対する例外を規定した条文なので、意識して覚えておかないと間違えてしまいます。

付従性の原則からすれば、主債務が不成立となった場合には、保証債務も不成立なのが原則だけれども、保証人が取り消しの原因を知っていた場合には、例外的に保証債務は消滅しないという流れですね。

449条は、知識としてそのまま覚えて起きましょう。

それでは、次回もお楽しみに。

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そろそろ大きな鉢に変えようかと思います。

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