第406号 2019・1・21

■■ はじめに ■■

みなさん。こんばんは。

iPadをデジタルノートとして使うためのアプリであるGoodNotes4の新しいバージョンの5がリリースされましたね。

GoodNotesは現段階で、iPadをノートとして使うための最強のアプリだと思います。

GoodNotes4を買っている人はGoodNotes5も無料で手に入れることができるので、まだ手に入れていない人はすぐにインストールしておきましょう。

ただ、今のところはブックマーク名が編集できないなど使いにくい点がたくさんあるので、当分の間は、GoodNotes4がメインになると思います。

少しずつ、アップデートされて改善していくと思われますので、徐々にGoodNotes5に移行していくんだろうと思います。

本当にiPadが1台あれば、テキストもノートも六法もペンも必要ないので、超便利です。

それでは、さっそく始めていきましょう。

▼▼▼ 第460条(委託を受けた保証人の事前の求償権) ▼▼▼

保証人は、主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、次に掲げるときは、主たる債務者に対して、あらかじめ、求償権を行使することができる。

1号
主たる債務者が破産手続開始の決定を受け、かつ、債権者がその破産財団の配当に加入しないとき。

2号
債務が弁済期にあるとき。ただし、保証契約の後に債権者が主たる債務者に許与した期限は、保証人に対抗することができない。

3号
債務の弁済期が不確定で、かつ、その最長期をも確定することができない場合において、保証契約の後十年を経過したとき。

■■ 解説 ■■

今回は、条文に書いてあることそのままなので、条文を読めば簡単に理解できると思います。

なので、特に解説することはありませんので、さらっと終わらせたいと思います。

前回の解説で、保証人は主たる債務者に代わって弁済等をした場合には、主たる債務者に求償することができることを説明しました。

その中で、一定の場合には、弁済をする前に事前に求償できる場合があるという事も説明しました。

これを事前求償権というのですが、今回の460条は、その事前求償権を行使できる場合を規定しています。

まず、最初の要件として挙げられているのが、保証人が委託を受けた保証人である事です(本文)。

委託を受けた保証人というのは、簡単に言うと、主たる債務者に「保証人になって欲しい。」とお願いされて保証人になった保証人のことでしたよね。

その委託を受けた保証人は、1号〜3号の要件を満たす場合には、事前求償権を行使することができます。

あとは、条文に書いてある通りで、読めば理解できると思うので、特に解説は必要無いでしょう。

ただ、1点だけ趣旨から考える癖をつけるために良い素材があります。

それは2号です。

債務が弁済期にある時には、保証人は事前求償権を行使できます(2号本文)。

「ただし、保証契約の後に債権者が主たる債務者に許与した期限は、保証人に対抗することができない」とされています(2号但書)。

例えば、債権者甲が債務者乙に100万円の債権を有し、弁済期が2019年1月31日だとします。

その100万円の債務を丙が保証したとします。

          100万円
  甲(債権者)-------------------->乙(主債務者)
        -------------------->丙(保証人)

このような場面で、甲が乙に3ヶ月間の期限の猶予をしたとします。

すると、主債務者乙は2019年4月30日まで債務を弁済する必要がなくなるわけですが、それを保証人丙には対抗できません。

つまり、保証人丙は2019年2月1日には、主債務者乙に事前求償権を行使できます。

この理由は何でしょう?

それは、保証人の本来の弁済期における主債務者の資力の期待を保護するためです。

わかりやすく説明します。

保証人丙は、保証契約をする時に、最悪の場合には2019年1月31日に自分が乙の代わりに100万円を支払わなければならないだろうと覚悟しているわけです。

そして、その後に主債務者乙に求償権を行使して債権者甲に支払った金額を回収しようと考えています。

つまり、弁済期である2019年1月31日時点では、主債務者乙には資力が有り、求償することができると期待して保証人になることが多いだろうということです。

その期待を保護するというのが2号但書の趣旨です。

本来の弁済期である1月31日時点での事前求償を認めないと、その後に主債務者乙の財産状況が悪化していって、4月30日時点では、乙が無一文になってしまうということも十分に考えられます。

もし、そうなると丙は乙に求償権を行使しても回収することができませんよね。

それは保証人丙にとってあまりにもかわいそうだと法は考えているのです。

この趣旨を理解できていれば、もし仮に2号但書の知識が試験に出題されたとしても、すぐに現場で考えて判断できますよね。

■■ 豆知識 ■■

今回は豆知識は特にありません。

■■ 編集後記 ■■

保証人の求償権というのは、あまり一般の人には知られていません。

保証人になったのだから、主債務者が支払えない場合には、責任を持って保証人が支払ってそれで終わりと考えている人が多いです。

もし、友達や知り合いなどに保証人になってしまった人がいて、その人が債務者の代わりに支払ったという場合には、主債務者に対して求償権を行使できるよと教えてあげると喜ばれると思います。

ただ、実際には主債務者に支払う資力がなかったのだから保証人が支払うはめになったわけですから、求償権を行使しても回収するのは難しいです。

現実問題がどうかは別として、保証人に求償権が認められているというのは重要な知識ですので、覚えておきましょう。

私的自治の原則の下で、自ら債務を負った主債務者が最終的には責任を負うべきという民法の公平の理念が趣旨ですね。

発行:株式会社シグマデザイン
http://www.sigmadesign.co.jp/ja/

日本で実施されている資格を調べるには資格キングをご利用下さい。

なお、配信解除希望とのメールをいただくことがあるのですが当方では応じることができません。解除フォームよりご自身で解除していただきますようお願いいたします。

(裏編集後記)

今日、ZOZOスーツが届いたので、早速着用してサイズを測ってみました。

計測結果を見ると左右の腕の長さが全然違ったりして、あまり正確に測れていませんでした。

ネット通販で、自分にぴったりの服を安心して買えるようになると思ったのに残念です。

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