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第346号 2012・4・15

■■ はじめに ■■

みなさん、こんにちは。ものすごく久しぶりの発行になります。

もう、このメルマガの事を忘れてしまっている方も多いと思いますが、何とか発行してみたいと思います。

発行を停止してからも、多くの読者様から発行を継続して欲しいとの声を頂いていたのですが、どうしても時間が取れずに発行することができませんでした。

過去にも何度も言っている言葉ですが、今回こそは何とか発行を継続したいと思いますので、よろしくお願い致します。

前回の続きからの解説になりますので今日は413条の受領遅滞です。

久しぶりの解説なのに超重要論点の含まれるハードな条文です。

何とか頑張りたいと思います。

みなさんも、この413条(受領遅滞)は超重要条文ですので、深く深く理解して下さいね。

これを理解することで、民法の債権編全体の理解を深めることができます。

492条(弁済提供の効果)をまだ解説していませんので、少し分かりにくい所もあると思いますので、492条の解説が終わった後に、また戻ってきて下さい。

それでは、さっそくはじめましょう。

▼▼▼ 第413条(受領遅滞) ▼▼▼

債権者が債務の履行を受けることを拒み、又は受けることができないときは、その債権者は、履行の提供があった時から遅滞の責任を負う。

■■ 解説 ■■

この413条は受領遅滞の要件と効果を規定している条文です。

まず、定義を確認しておきましょう。

受領遅滞とは、債務の履行につき、受領その他の債権者の協力を必要とする場合で、債務者の債務の本旨に従った提供をしたにもかかわらず、債権者が債務の履行を受けることを拒んだり(受領拒絶)、または債務の履行を受けることができないため(受領不能)、履行が遅延している状態にあることをいいます。

例えば、甲さんが乙さんから中古のポルシェを買いました。

そして、引き渡しは1週間後ということになりました。

1週間後、乙さんは甲さんの家にそのポルシェを持って行きました。

しかし、甲さんは、正当な理由もないのに難癖をつけて自動車を引き取ろうとしませんでした。

このような場合、甲さんは受領遅滞責任を負うことになります。

では、どのような場合に受領遅滞責任が発生し(要件)、どのような効果が発生するのでしょうか(効果)。

受領遅滞に関しては、この413条にしか規定がなく、要件も効果もはっきりと具体的に書かれていません。

条文からは要件と効果がはっきりと分からないので、考え方が真っ二つに分かれて一大論点になっています。

そもそも受領遅滞というのは何なのか?

受領遅滞の法的性質について、判例である法定責任説と最近有力になりつつある債務不履行責任説の2つの説が激しい争いを繰り広げています。

民法の場合、ほとんどの論点は判例の結論だけおさえておけば十分なのですが、この受領遅滞の法的性質という論点は超重要論点で、あらゆる試験で繰り返し出題されていますので、法定責任説と債務不履行責任説の両方を理解しておく必要があります。

この論点の問題の所在は、民法には受領遅滞について413条だけしかなく、しかも要件・効果が曖昧にしか書かれていないからです。

条文からはっきりと分からないので問題になるのです。

ドイツ民法のようにたくさんの条文があり、要件も効果もきちんと書かれていれば、それほど問題になりません。

まず、判例の法定責任説の解説をします。法定責任説は、受領遅滞は債務者を不履行の責任から免れさせることに本質があると考えます。

通常の債務は、債務者が何らかの行為をし、それを債権者が受領することで債務の内容が実現されます。

債権者の何らかの協力が必要な事がほとんどなのです。

さきほどの具体例でも、乙さんは、甲さんがポルシェを引き取ってくれなければ、売買契約(555条)から生じる目的物の引き渡し債務という自らの債務を実現することができませんよね。

とすると、債務者の側ですべきことを全部したにも関わらず、債権者が協力しない場合にはいつまでたっても債務の内容を実現することができません。

そのような場合にまで債務者に履行遅滞などの債務不履行責任を負わせるのはあまりにも酷です。

そこで、債務者がやるべき事をしたにも関わらず、債権者が協力しない場合には、債務者は債務不履行責任を免れるということを規定していると考えるのです。

この考え方は、後に出てくる492条(弁済提供の効果)と全く同じ事になります。

まだ解説していませんので分かりにくいと思いますが、492条には、債務者がやるべき事をした後は、何ら責任を負わないというような事が規定されています。

法定責任説は、492条を債権者側からみて規定したものにすぎないと主張するわけです。

債権者というのはあくまで権利者であって、何らの義務も負わないのであって、受領義務もないというわけです。

ただ、債権者が受領しないことによって生ずる不利益を公平の観念から信義則上法が特に法定責任を負わせたと考えます(法定責任説)。

したがって、法定責任説からすると受領遅滞の要件・効果は以下のようになります。

〜要件〜

1、債務者の弁済の提供があること

2、債権者の受領拒絶または受領不能

〜効果〜

1、履行遅滞責任からの解放される

2、相手方の同時履行の抗弁権を奪う

3、約定利息の不発生

4、危険の移転(債権者主義になる)

5、注意義務の軽減(軽過失の免責)

6、増加費用が債権者負担になる

まだ解説していなものがたくさんありますので、全ては分からないと思いますが、要件・効果ともにざーっと目を通して下さい。

492条の解説をした後に戻ってくると分かると思うのですが、効果は、492条の弁済提供の効果と全く同じなのです。

これが法定責任説です。

法定責任説は、債務者側からみたのが492条、債権者側からみたのが413条で中身は全く同じものと考えます。

かなり長くなってしまいましたので、有力説の債務不履行責任説は次回の解説にします。

■■ 豆知識 ■■

413条は、492条や他の債権編の条文を理解してないと完全に理解することができませんので、今日は以下の点だけ覚えておいて下さい。

1、413条には受領遅滞の要件・効果がはっきりと書かれていないので、争いがあり論点になっている。判例の採用する法定責任説と債務不履行責任説が激しく対立している。

2、法定責任説は、債権者はあくまで権利者であり、何ら義務を負わず、受領義務もない。ただ、公平の観点から信義則上法定責任を負わせたものと考える。

3、法定責任説は、413条は492条を裏から規定したものにすぎず、要件・効果は492条と全く同じだと考える。

■■ 編集後記 ■■

413条は、本当に難しいです。

論点そのものも重要ですし、債権全体の体系的理解が必要になります。

413条を理解するためには、特定物と不特定物、弁済の提供、同時履行の抗弁権など様々な知識が必要になります。

今日の解説を難しく感じた人も、それはある意味では当然のことですので、安心して下さい。

分からないことがあっても、とにかく前に進んで最後まで目を通すことが大事です。

それでは、次回のお楽しみに。

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