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第347号 2012・4・18

■■ はじめに ■■

みなさん、おはようございます。

このメルマガのバックナンバーは、ウェブサイトでも公開しているのですが、ただ今リニューアルをしていますので、きちんと見ることができない状態になっています。

もうしばらくお待ち下さい。

前回は、受領遅滞の法的性質という超重要論点で判例が採用している法定責任説を解説しました。

今日は、有力な学説であるもう1つの考え方、債務不履行責任説を解説します。

受領遅滞の法的性質という論点は、理解できるまではかなり難しいと思いますので、頑張って下さい。

2つの説を比較する問題を解いてアウトプットすることで理解が深まると思いますので、次回くらいに実際に出題されている問題を解いてみようと思います。

それでは、さっそくはじめましょう。

▼▼▼ 第413条(受領遅滞) ▼▼▼

債権者が債務の履行を受けることを拒み、又は受けることができないときは、その債権者は、履行の提供があった時から遅滞の責任を負う。

■■ 解説 ■■

債務不履行責任説は、法定責任説と異なり、債権者は債務の給付を受領すべき義務を負っていると考えます。

そして、債権者が債務者の給付を受領しない事は、債務を履行しない事と同じであり、債務不履行になると考えるのです。

理由は、債権・債務は、両当事者の信頼の上に成り立っているものであり、その内容も多くの場合、両当事者の協力がなければ完成しないものであることが多いので、債権者にも給付の実現に協力すべき義務があるからです。

ここが根本的に法定責任説と異なるところです。

債権者は、あくまで権利者であり、義務はないと考えるのが法定責任説で、債権者といえども債務者の給付を受領する義務があると考えるのが債務不履行責任説です。

債務不履行責任説は、受領遅滞を債務不履行と考えるので、受領遅滞の要件として債権者の帰責事由が必要となります。

そして、効果としては、債務不履行ですので、損害賠償請求と解除をすることができます。

例えば、甲さんが中古のフェラーリを乙さんから買ったとします。乙さんが約束の期日に甲さんの家にフェラーリを届けに行きました。

しかし、甲さんは、うっかり忘れていて車を置く駐車場を用意していなかったので、約束の期日に受領することができませんでした。

この場合、履行遅滞になり、損害賠償請求(415条前段)と解除(541条)ができるということです。

また、あまり履行不能というのは考えにくいですが、さきほどの事例で甲さんの何らかの過失で、駐車場を用意することができななくなってしまった場合には履行不能となり損害賠償請求(415条後段)と解除(543条)ができます。

債務不履行責任説は、受領遅滞の成立する要件が厳しくなる代わりに、損害賠償請求や解除が認められるなど効果が大きくなります。

かなりややこしくなってきていますので、受領遅滞の要件と効果をまとめます。

〜要件〜

1、債務者の弁済の提供があること

2、債権者の受領拒絶または受領不能

3、債権者の帰責性(債務不履行責任説のみ必要)

〜効果〜

1、履行遅滞責任からの解放される

2、相手方の同時履行の抗弁権を奪う

3、約定利息の不発生

4、危険の移転(債権者主義になる)

5、注意義務の軽減(軽過失の免責)

6、増加費用が債権者負担になる

7、損害賠償請求(債務不履行責任説のみ認められる)

8、解除(債務不履行責任説のみ認められる)

要件の1〜2、効果の1〜6までは両説とも同じです。

要件の3と効果の7、8が債務不履行責任説に追加されます。

法定責任説は、債権者はあくまで権利者であるから受領する義務はないと考えますので、413条に書いてある「遅滞の責任を負う」という部分の責任というのは、債務不履行責任とは何の関係もなく、法が信義則上定めた特殊な責任だと考えるわけです。(「法」が信義則上「定」めた特殊な「責任」というのが法定責任説の名前の由来です。)

債務不履行と何の関係もない責任である以上、債権者の帰責性は必要ありませんし、効果として損害賠償請求や解除も認められません。

他方で、債務不履行責任説の場合、債権者にも受領義務があり、それに反すると債務不履行責任が発生します。

413条の「遅滞の責任を負う」という部分の責任を債務不履行責任だと考えるわけです。

債務不履行責任である以上、損害賠償請求(415条)と解除(541条、543条)が認められますよね。

債務不履行の要件と効果が分からないという方は、412条の解説を読んで下さい。

とりあえず、このくらいで終わりにしたいと思います。

効果の発生根拠が異なっていたり、なぜ判例は法定責任説を採用しているかなど、解説すべきことはたくさんあるのですが、今はやめておきます。

売買契約なら、買主が目的物を受け取ってくれなければ、いつまでも債務を履行できませんよね。

請負契約でも、大工さんが建てた家を、注文者が引き取ってくれなければ、いつまでたっても債務を履行できませんよね。

債務不履行責任説が主張するように、債権者に受領義務を認めるというのは、もっともらしい意見です。

にもかかわらず、なぜ判例が法定責任説を採用しているかというと、債務不履行責任説を取る実益があまりないからなのです。

また、債権総則の解説が終わったあたりで、深い部分まで解説したいと思います。

全体の解説が終わってない段階では、理解することが難しい部分がたくさんありますので。

■■ 豆知識 ■■

今日は、特にありません。

■■ 編集後記 ■■

何のことかさっぱり分からんと思った方もたくさんいると思います。

まずは、判例の法定責任説を理解して下さい。

法律の試験では、特に何の断りもなければ判例の立場で答えを出すということになっていますので、法定責任説を理解することは必須です。

その上で、法定責任説との共通点と相違点を比較してみると債務不履行責任説が理解しやすいと思います。

413条の受領遅滞の条文は、難しいので、分からなくも今は気にしないことが大切だと思います。

債権総則の勉強が終われば、少しは分かるようになると思います。ちなみに、債権総則は520条まで続きます。

民法の目次で確認しておきましょう。

とにかく、民法は目次をチェックして、自分が今、民法全体のどの辺りにいるのかを確認しないと迷ってしまいます。

ついでに、条文の番号がだいたいどのあたりのものなのかも少しずつ覚えていくと民法全体の理解が深まります。

それから、今までは文章があまりにも横に広がりすぎると読みにくいということで、途中で改行を入れていました。

しかし、iPhoneなどのスマートフォンでメールを読む人が増えたこと、iPhoneなどのスマートフォンで見ると、変な場所で改行されて読みにくいということを理由に、今回から改行をやめました。

パソコンで見る場合、少し読みにくくなるかもしれませんが、ウィンドウの幅を狭くするなどの方法で対処できるかと思います。

どちらの方が良いなどのご意見があれば、このメールにそのまま返信いただければ、私に届きますのでよろしくお願いします。

それでは、次回もお楽しみに。

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