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第305号 民法 第376条 (抵当権の処分)

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毎日3分!条文+豆知識で民法完全制覇! 第305号 2007・12・23
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■■ はじめに ■■

みなさん、こんばんは。

世間は、三連休です。しかも、クリスマスですよね。

それはさておき、前回の裏編集後記でも書いたように、結果を出すには、自分が今何をすべきなのかを徹底的に考える必要があります。

目標を設定し、自分の現状を把握し、足りない部分だけを埋めていく。

そこにモレがあってもダメですし、ダブりがあってもダメです。

私たちに与えられている時間は等しく1日24時間です。

しかも、その中で仕事や学校などで時間を取られてしまいます。

その限られた時間の中で結果を出す方法を考えることが重要なんです。

時間がないということであきらめずに、限られた時間の中で、目標を達成することはできないか?また、どのような行動をすれば達成できるのかを徹底的に考え抜くことが重要なんです。

偉そうに言っていますが、私もきちんと考え始めたのは最近です(^0^)

それでは、さっそくはじめていきましょう。

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▼▼▼ 民法 第376条 (抵当権の処分)  ▼▼▼

1項

抵当権者は、その抵当権を他の債権の担保とし、又は同一の債務者に対する他の債権者の利益のためにその抵当権若しくはその順位を譲渡し、若しくは放棄することができる。

2項

前項の場合において、抵当権者が数人のためにその抵当権の処分をしたときは、その処分の利益を受ける者の権利の順位は、抵当権の登記にした付記の登記の前後による。

■■ 解説 ■■

前々回に、転抵当の解説をしました。

そして、前回は、抵当権の譲渡、抵当権の放棄を解説しました。

今回は、抵当権の順位譲渡と抵当権の順位放棄を解説します。

「あれ?何が違うの?」

と思った方はたくさんいると思います。

法律の勉強をする時は、とにかく一言一句しっかりと読む癖をつけましょう。

今回、解説するのは、「順位」という言葉が入っています。

「順位譲渡」と「順位放棄」です。

つまり、前回解説した抵当権の譲渡と抵当権の放棄は、抵当権者が、抵当権者ではない一般債権者に抵当権を譲渡したり放棄したりする場合の話です。

今回の抵当権の順位譲渡と抵当権の順位放棄は、抵当権者同士で抵当権を譲渡したり放棄したりする場合の規定です。

つまり、先順位者から後順位者の利益のためになされるものです。

言葉の意味をしっかり考えればわかると思います。

それでは、難しい話は置いておいて具体例をあげて解説します。

1000万円の土地を有するAさんがいます。

そのAさんに対して、BCDという3人の抵当権者がいます。

以下のような状態だとします。

B:1番抵当権者(600万円)

C:2番抵当権者(500万円)

D:3番抵当権者(300万円)

この場合に、BさんからDさんに対して抵当権の順位譲渡がされたとします。

まず、最初にすべきことは、抵当権の譲渡がされる前の状態であれば、それぞれの債権者がどれだけの弁済を受けることができるのかを確定します。

ここまでは前回と同じです。

すると以下のようになります。

B:600万円

C:400万円(1000万円ー600万円)

D:0円

その後で、抵当権の順位譲渡をした者と抵当権の順位譲渡を受けた者が持つ優先弁済権の合計を出します。

本件でいうと、B(600万円)+D(0万円)=600万円です。

その合計額から順位譲渡を受けたDが、自分の債権額の範囲で取ります。

すると、Dは300万円を取ることができます。

そして、その残りの部分をBがとることになります。

Bは600万円の債権を有していますが、残りが300万円しかないので、300万円だけ優先的に弁済を受けることができます。

これが抵当権の順位譲渡です。

次に、抵当権の順位放棄です。

BさんからDさんに対して抵当権の順位放棄がされたとします。

まず、BとDの優先弁済を受けることのできる額を合計するのは同じです。

本件でいうと、B(600万円)+D(0万円)=600万円です。

その600万円から、BとDが被担保債権の割合で按分して優先弁済を受けることができます。

つまり、B:D=600:300(2:1)で分け合うのです。

すると、Bは400万円(600万円×2/3)で、Dは200万円(600万円×1/3)となります。

これが、抵当権の順位放棄です。

■■ 豆知識 ■■

抵当権の譲渡、抵当権の放棄、抵当権の順位譲渡、抵当権の順位放棄の4つをまとめます。

まず、「譲渡」と「放棄」でグルーピングすることができます。

「譲渡」の場合は、譲渡を受けた者がまず全額取って、残りを譲渡した者が取ります。

「放棄」の場合は、譲渡を受けた者と譲渡した者が、それぞれの被担保債権の割合に応じて按分して取ることができます。

次に、「順位」が付くか否かでグルーピングすることができます。

「順位」がつかない場合、譲渡・放棄する者が本来受けることができた優先弁済額を基準に計算をします。

「順位」がつく場合、譲渡・放棄をする者と譲渡・放棄を受ける者が本来受けることができた優先弁済の額を合計した額を基準に計算をします。

この2つのグルーピング分けを組み合わせて計算するだけです。

2×2の4パターンということになりますよね。

それから、抵当権の譲渡・放棄、抵当権の順位譲渡・順位放棄の計算をした場合、それに関与していない者の数字は絶対に変化しません。

もし、計算した後で関与していない者の優先弁済額が変化していれば、それはどこかで必ず計算間違いをしています。

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■ 編集後記 ■

この計算方法さえ覚えてしまえば、どんな問題が出ようが必ず解くことができます。

苦手だったと思っていた方でも、マスターすれば必ず得点できますので、もし出題されたらラッキーと思えるようになるはずです。

いくつか自分で数字を変えて問題を作って計算してみてください。

掲示板に練習問題を1問だけ掲載しておきましたので、ぜひ解いてみてください。

結論と計算の過程をできるだけわかるように書いてください。

みなさんの参加をお待ちしています。

→ 練習問題

それでは、次回もお楽しみに!!

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(裏編集後記)

今日は、松本人志のすべらない話があります。

楽しみです(^0^)

関連条文

第333号 第400条 (特定物の引渡しの場合の注意義務)(20092626)

第332号 第399条 (債権の目的)(20092626)

第329号 民法 第398条(抵当権の目的である地上権等の放棄)(20091111)

第328号 民法 第397条(低動不動産の時効取得による抵当権の消滅)(20091111)

第326号 民法 第395条(抵当建物使用者の引渡しの猶予)(20081313)

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