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第280号 民法 第353条  (質物の占有の回復)

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毎日3分!条文+豆知識で民法完全制覇! 第280号 2007・8・30
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■■ はじめに ■■

みなさん、おはようございます。今日は、民法353条の解説です。

353条は、前回解説した352条と関連しています。それを理解していれば、それほど難しい内容ではありません。

それでは、さっそくはじめていきましょう。

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▼▼▼ 民法 第353条  (質物の占有の回復) ▼▼▼

動産質権者は、質物の占有を奪われたときは、占有回収の訴えによってのみ、その質物を回復することができる。

■■ 解説 ■■

さて、どうでしょうか?

民法353条は、質物の占有を奪われた場合に、質権者がどのような権利を行使することができるかを規定している条文です。

まず、はじめに確認しておかなければならないのが、質権も物権であるということです。

そして、物権は、物を直接的・排他的に支配する権利ですから、本来であれば、物の占有を奪われた場合、物権に基づいて物の返還を請求することができるはずです。

これを物権的請求権といいます。

とすると、質権も物権ですから、物権的請求権を行使して質物の返還を請求することができるようにも思えます。

しかし、質権の場合は、それができないことを353条が規定しています。

なぜなら、前回解説した352条があるからです。

352条は、占有を失えば、対抗力がなくなると規定していました。

にもかかわらず、物権的請求権に基づく返還請求を認めるのは、整合性が取れませんよね。

そこで、占有回収の訴えによってのみ物の返還を請求することができるのということを規定しています。

占有回収の訴えがわからないという方や、忘れたという方はバックナンバーの200条あたりから確認しておいてください。

占有回収の訴えをすることができるというのは、質権者が占有を取得している以上は、当然です。

ですから、353条は、質権の物権的請求権を否定しているとう点に意味があります。

少し難しい言葉になりますが、質権は、「本権」ではないという原則を表明しているのが353条です。

■■ 豆知識 ■■

この条文で、みなさんがどれくらい細かく意識して条文を読んでいるか分かります。

さきほどは、質権者が質物の占有を奪われた場合について解説しました。

質権者が、質物の占有を奪われた場合には、占有回収の訴えをすることができると解説しました。

では、質権者が質物を遺失してしまった場合、詐欺にひっかかって物を誰かに引渡した場合には、占有回収の訴えによって占有の回復を請求することができるでしょうか?

答えは、・・・・

できませんよね。

遺失した場合や、詐取された場合には、もはやいかなる方法によっても取り戻すことができなくなります。

理由は、簡単ですよね。

条文には、「占有を奪われたときは、」と書いてあるからです。

奪われたというのは、「自分の意思に反して占有を失った」ということです。

遺失というのは、自分のミスで喪失してしまったわけですから、「奪われた」にはあたりませんし、詐取されたというのも、騙されてはいるものの、最終的には自分の意思で引き渡しているはずなので、「奪われた」とはいえないのです。

とにかく、民法に限らず法律の条文は、一言一句正確に読みましょうね。

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■ 編集後記 ■

今日の解説は、内容はそれほど難しくないと思いますが、ちょっとつかみどころのない感じを受けたと思います。

深く考えると難しいので、とりあえず結論だけおさえておけば十分です。

どちらかといえば、豆知識の方が重要です。

よく試験に引っかけ問題として使われる知識ですし、条文の文言を一言一句丁寧に読むという癖をつけるいい機会にもなったと思います。

それでは、次回もお楽しみに!!

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(裏編集後記)

中学時代の同級生が、カフェをオープンしました。

ランチがあるので、昼に行くと、けっこう同級生がいます。

そういう、みんなが気楽に集まれる場所っていいなーと思いました。

できれば、長く続けて欲しいと思います。

関連条文

第333号 第400条 (特定物の引渡しの場合の注意義務)(20092626)

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第329号 民法 第398条(抵当権の目的である地上権等の放棄)(20091111)

第328号 民法 第397条(低動不動産の時効取得による抵当権の消滅)(20091111)

第326号 民法 第395条(抵当建物使用者の引渡しの猶予)(20081313)

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