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第269号 民法 第343条  (質権の目的)

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毎日3分!条文+豆知識で民法完全制覇! 第269号 2007・7・3
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■■ はじめに ■■

みなさん、こんばんは。今日は、民法343条の解説です。

今日の条文は分かりやすいようで、深く考えるとやっかいな条文です。ややこしければ、深入りしなくてもいいと思います。

さて、昨日から宅建試験の申し込みが始まりました。

インターネットのみの受付になったようで、写真もデータで送信するようです。

ちょっと、びっくりしました。

このメルマガの読者の中にも宅建を受験しようと考えている方もいると思います。

今から勉強すれば、十分に間に合うと思いますので、ぜひ興味のある方は挑戦してみてください。

LECという非常に有名な資格の予備校も今から始めて合格するための講座をスタートしています。

インターネットで授業を受けることもできるので、忙しい方でも時間を有効活用して勉強することができます。

今から始めて今年の合格を目指すのにおすすめの講座を2つ紹介しておきますので、参考にしてください。

それでは、さっそくはじめていきましょう!!

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▼▼▼ 民法 第343条  (質権の目的) ▼▼▼

質権は、譲り渡すことができない物をその目的とすることができない。

■■ 解説 ■■

譲渡することができない物について質権を設定することはできないと規定しています。

では、譲渡することができない物とはどんなものがあるのでしょうか?

まず、動産については、模造通貨や、毒物・劇物などのいわゆる禁制品がこれにあたります。

あと国債も特別法で譲渡が禁止されています。

次に、不動産ですが、不動産に関しては譲渡することができない物というのは考えることができません。

そして、債権や財産権については、譲渡や処分について一定の者の同意などが必要とされているものがこれにあたります。

例えば、永小作権について特別の定めがある場合などです。

→ バックナンバー272条但書参照

つまり、法律上譲渡することが禁止されている物については質権を設定することができないのです。

結論は簡単ですよね。

じゃあ、理由は何でしょうか?

いつものように、もう少し深く考えてみたいと思います。

質権は、目的物を留置することによって、債務者に心理的圧迫を加えて弁済を促すという効果があります。

例えば、みなさんが、質屋さんにロレックスの腕時計を質入して10万円借りたとしたら、腕時計を返して欲しいから、必死になって弁済しようとしますよね。

とすれば、いくら法律上譲渡することができない物であったとしても、債務者にとって価値のある物であれば、それを取り上げて質権の目的とすれば、ある程度の効果はあるとも思えます。

だったら、法律上譲渡することができない物でも質権の目的としてもいいんじゃないかという考え方もできるわけです。

しかし、民法はそれを禁止しています。

民法は、あくまで質権の究極の目的は、質権の目的物を換価してその代金をもって弁済を受けることにあるのだと考えているわけです。

留置的効力は、質権の効力としては付随的なものにすぎないと考えているわけです。

留置的効力が主たる目的なのは、留置権であって質権ではないのです。

質権の主たる目的は、目的物を換価して、そこから弁済を受けることなのです。

とすると、法律上譲渡することができない物というのは、要するに売ることができない物ですから、換価してそこから弁済を受けることができないのです。

そのような物を質権の目的物としても、質権の目的を達成できないから禁止したということです。

■■ 豆知識 ■■

具体例として、模造通貨や毒物・劇物、国債などを上げましたが、ここまで具体的に試験に出ることはありません。

具体例より、なぜ禁止されているのかということの方が大事です。

ちなみに、毒物・劇物は毒物及び劇物取締法で規制されてます。

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■ 編集後記 ■

結論は簡単だったと思います。

しかし、常にもう一段階深く考えることを意識してほしくて理由まで解説しました。

よくわからなかったという方は、結論だけおさえておいて、また、時間のある時にでもゆっくり考えてみてください。

ただ、実はそれほど難しくはありません。

担保権の本質を理由にしているだけですので。

宅建試験では、そこまで深く考えさせる問題は出ませんので、基礎的な知識と、過去に出題された問題の結論だけおさえておけば対処することができると思います。

冒頭に紹介したようなLECの講座などを活用すれば、ほんとに今からでも十分間に合うと思います。

宅建は、持っているだけでほんとに役に立つ資格です。

例えば、「市街地調整区域」というのをご存知でしょうか?

これはいわば建物を建てられない土地のことです。

新聞のチラシなどで郊外の格安の土地の販売が載っていることがありますが、市街化調整区域の土地であることが多いのです。

土地を購入してから家を建てられない!!などのトラブルは避けたいですね。

宅建の学習は、こういった知識を身に付ける上でも役立つのです。

また、不動産取引などに関する法的知識は多くの業種で必要とされています。

宅建の知識は様々な場面で活用できることから、就職・転職の武器としてアピールするには最適の資格といえるでしょう。

それでは、次回もお楽しみに!!

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(裏編集後記)

まだ、7月だというのにほんとに暑い日々が続いています。

温暖化の影響を肌で感じますね。

なんとなく体がだるく感じます。

みなさんも体調を崩さないように気をつけてください。

関連条文

第277号 民法 第350条  (留置権及び先取特権の規定の準用)(20072828)

第276号 民法 第349条  (契約による質物の処分の禁止)(20072828)

第274号 民法 第347条  (質物の留置)(20072828)

第273号 民法 第346条  (質権の被担保債権の範囲)(20072828)

第268号 民法 第342条  (質権の内容)(20071818)

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