第88号 2005・11・28

■■ はじめに ■■

みなさん、おはようございます。

今日は、88号で、108条但書きについての説明を軽くしておきます。

前回、本文は説明したのですが、但書きは説明していなかったので、それだけ説明しておこうと思います。

次回から、表見代理というほんとに難しい話に入っていきます。

説明するのも大変だと思いますが、できるだけわかりやすく説明できるように頑張りたいと思います。

第108条(自己契約及び双方代理)

同一の法律行為については、相手方の代理人となり、又は当事者双方の代理人となることはできない。ただし、債務の履行についてあらかじめ許諾した行為については、この限りでない。

■■ 解説 ■■

さて、前回自己契約と双方代理は禁止されているということを説明しました。

そして、禁止されている趣旨は、本人の利益が害される可能性があるからということでしたよね。

この条文の趣旨、すなわちこの条文は何のために規定されているのか、ということを考えることが法律の勉強をするためには極めて重要です。

「条文の趣旨」これをこれから徹底的に意識してくださいね。

つまり、108条本文が自己契約・双方代理を禁止している趣旨は、本人が不利益を受けるから、言い方を変えると本人保護のためですよね。

ということは、本人が不利益を受けない場合、すなわち本人保護の必要がない場合には、108条本文の趣旨が妥当しませんから、自己契約・双方代理を認めてもいいということになります。

それを規定したのが、108条但書きです。

まず、「債務の履行」の場合は、禁止されないということが規定されています。

これは、債務の履行であれば、あらかじめする内容が決まっていますから、本人の不利益になることがないからです。

例えば、Aさんが、Cさんと車の売買契約を締結し、それに基づいて、Cさんに車の引渡しをする場合に、Bさんを代理人に選任しました。

他方、Cさんも車の受け取りについて、Bさんを代理人に選任しました。

このような場合、双方代理になるわけですが、Bさんは単に車を引き渡すだけですから、本人であるAさんが不利益を受けるということがありません。

つまり、代理人であるBさんには、車を引き渡すという決まった行為しかすることがないわけですから、本人であるAさんに不利益になるようなことをできないのです。

よくわからない方は、前回の事例と見比べてみてください。

■■ 豆知識 ■■

「債務の履行」にあたらない場合でも、移転登記の申請などはすることができます。

理由は、先ほどと同じです。

登記するだけなので、本人に不利益を生じる可能性がないからです。

■■ 編集後記 ■■

登記という言葉が出てきましたが、みなさんが、家やマンション、土地などを買った時には登記をしなければなりません。

取引の安全を守るために登記により公示するという制度が採られているのですが、また、177条くらいのところで説明しますので、今は、あまり気にしないでください。

この登記というのは、ミナミの帝王などによく出てくるので、ちょっとした勉強にはなるかと思います。

興味のある方は見てください。

さて、ユードラのメリットの第2弾ですが、フィルタリングという機能です。

アウトルックなどにもついている機能ですが、これもまた少し弱いんですね。

細かい設定ができません。

フィルタリングというのは、受信したメールを自分の作ったメールボックスに勝ってに振り分けてくれる機能です。

自分で、これを使うと、受信したメールが用件ごとにメールボックスに自動的に振り分けられるので、後は、自分の見たいメールボックスを開けて見ていくことができるので、効率がいいし、時間節約できるし、混乱しません。

一つの受信ボックスに全部のメールが入ると、見たいメールを探すのに一苦労ですよね。

ユードラはこのフィルタリング機能が大変すぐれていて、細かい設定をすることができます。

ぜひ、「毎日3分!条文+豆知識で民法完全制覇!」というメールボックスを作って、フィルタリングしてみてください。

発行:株式会社シグマデザイン
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