第77号 2005・10・15

■■ はじめに ■■

みなさん、おはようございます。

今日は、98条の解説ですが、今日は、それほど問題のある条文ではありません。

ただ、知っておいて損はしないので、一度読んで理解していただければ、それでけっこうかと思います。

それから、アンケートですが、たくさんの方から回答を得ることができまして、大変感謝しております。

結果としては、約半数の方がだいたい理解できるということで、25%くらいに方が少し難しいけど理解できるということでした。

それで、この結果を見るとこれからどうしていくべきかが難しいのですが、やっぱりみなさんにしっかりと理解してもらうのが私の理想です。

せっかく、少しの時間とはいえ、貴重な時間を割いてメルマガを読んでいただいているわけですから、何か得てもらいたいと思います。

そこで、メルマガって文章ばかりで図を書いて説明するのが難しいんですね。

ですから、このメルマガのバックナンバーを紹介しているサイトの方で、私が書いた図をアップしてそれと並行して説明しようなかな、と思っています。

まだ、スキャナーがないので、できませんが、安いものを近々購入してやってみようかなと思っています。

楽しみにしていてください。

安くて、おすすめのスキャナーがあれば、教えていただけると幸いです。

第98条(公示による意思表示)

1項
意思表示は、表意者が相手方を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、公示の方法によってすることができる。

2項
前項の公示は、公示送達に関する民事訴訟法(平成八年法律第百九号)の規定に従い、裁判所の掲示場に掲示し、かつ、その掲示があったことを官報に少なくとも一回掲載して行う。ただし、裁判所は、相当と認めるときは、官報への掲載に代えて、市役所、区役所、町村役場又はこれらに準ずる施設の掲示場に掲示すべきことを命ずることができる。

3項
公示による意思表示は、最後に官報に掲載した日又はその掲載に代わる掲示を始めた日から二週間を経過した時に、相手方に到達したものとみなす。ただし、表意者が相手方を知らないこと又はその所在を知らないことについて過失があったときは、到達の効力を生じない。

4項
公示に関する手続は、相手方を知ることができない場合には表意者の住所地の、相手方の所在を知ることができない場合には相手方の最後の住所地の簡易裁判所の管轄に属する。

5項
裁判所は、表意者に、公示に関する費用を予納させなければならない。

■■ 解説 ■■

これは、公示による意思表示の条文ですが、少し分かりにくいと思いますので、簡単に説明します。

通常、意思表示というのは、相手が目の前にいる状態でするものですよね。

例えば、コンビニでお茶を買う時は、目の前に店員さんがいます。

家を買う時も、不動産屋さんと話をして、その不動産屋さんに「この家をください。」と言うわけです。

でも、相手がわからない時というのが、実際には時々あるんですね。

たとえば、契約を解除したいけど、相手がいないから、契約を解除できない、というような場合です。

例えば、インターネットで、怪しいサイトを見つけて、おもしろそうだから、思わず申し込みをしてしまったとします。

そして、その後やっぱり解約しようと思ったら、どこに連絡していいのかわからない、という場合を想像してみてください。

こんな場合、相手がどこにいるのかわからないから、いつまでも解除することができる、いつまでも、会員料を払い続けるということにもなりかねません。

こんな場合に、使えるのがこの98条です。

相手がわからない場合は、裁判所の掲示板に、「解除しますよ。」という掲示がされます。

これが意思表示だとみなされるのです。

そして、2週間経過すると、その意思表示が相手に到達したことになり、解除したことになります。

つまり、実際は裁判所の掲示板を定期的に見に行っている人なんていませんが、一応、2週間も裁判所の掲示板に掲載したんだから、それは、相手方に対して意思表示をしたのと同じことになるということです。

■■ 豆知識 ■■

ちなみに、この公示による意思表示は、相手を知ることができないことについて過失があった場合は利用することができません。

そうしないと、知らない間に掲示板に掲示されていて知らない間に、契約が成立していたとか、解除されていたとかいうことになってしまうからですね。

この公示による意思表示は、ほんとうに真剣に相手を探したけど、見つかりませんでしたという場合にしか使うことができませんので、注意してください。

■■ 編集後記 ■■

前回、法律の勉強をすると相手を説得する能力が身に付くといいましたが、なぜ、法律家は相手を説得することがうまいのでしょう?

それは、論理的な思考がされているからです。

法律家が使う技術として、代表的なものに三段論法というのがあります。

例えば、小泉首相は必ずいつか死ぬということを、説明するのに三段論法を使うと、このようになります。

        人間は → 必ず死ぬ

小泉首相は → 人間である

小泉首相は     →  必ず死ぬ

難しいですが、一番上の段が大前提と言います。

その次の段が小前提といい、最後が帰結となります。

「人間は必ず死ぬ」という当たり前の大前提に小前提をあてはめて結論を出すという技術です。

このように、論理的に文章を書いたり、話しをしたりすることができるから、相手を説得できるわけです。

小泉首相がよく、「郵政を民営化すれば、外交もうまくいく。」と言っていますよね。

これで納得する人はいませんよね。

なぜなら、論理がつながっていないからです。

これを仮に、「郵政を民営化すれば、国の経済が良くなる。国の経済が強くなれば、相手との話を有利に進めることができて、外交もうまくいく。」とすれば、多少納得できますよね。

まぁ、外交というものがそんな簡単なものではないと思いますが、少なくとも小泉首相が言っていることよりは、説得力が増します。

これからは、法的な思考ができる人が絶対に必要な社会になります。頑張りましょう!!

発行:株式会社シグマデザイン
http://www.sigmadesign.co.jp/ja/

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