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第393号 2018・11・2

■■ はじめに ■■

みなさん。おはようございます。

今日も保証の解説です。

前回は保証の法的性質ということで、抽象的な解説だったので分かりにくかったと感じた人が多いと思いますが、今日は簡単なので安心して下さい。

今回は、条文を読めば簡単にほとんど理解できると思います。

それから、一部前回の豆知識で解説した部分もあるので、今日の解説はすぐに終わります。

それでは、始めていきましょう。

▼▼▼ 第447条(保証債務の範囲) ▼▼▼
1項
保証債務は、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たるすべてのものを包含する。

2項
保証人は、その保証債務についてのみ、違約金又は損害賠償の額を約定することができる。

■■ 解説 ■■

447条は、保証人の保証債務の範囲について定めた条文です。

まず、447条1項は、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たるすべてのものを包含すると規定しています。

条文そのままなので、特に解説は要らないと思いますが、1点だけ解説するとすると「その他その債務に従たるすべてのもの」です。

例えば、典型的なものは訴訟費用ですね。債務者が債権者に訴えられて敗訴した場合、訴訟費用は債務者の負担になります。

訴訟費用というのは、裁判所に支払う手数料、書類の送達費用、証拠調べに必要な費用などの事です。

訴訟の金額が大きくなれば訴状に貼り付ける印紙代も数十万円になるなど、バカにできないくらいの金額になるので訴訟費用は決して少ない金額ではありません。

これが1項です。

次に2項です。

2項については前回の豆知識の部分で紹介した事です。

保証債務というのは、主債務とは別個・独立の債務なので、保証債務の履行を確実にするために、特に保証債務に違約金や損害賠償の額を定めることが認められているのです。

債権者と保証人の間で保証債務の契約をする際に、保証債務を履行しなかった場合には、100万円の違約金を支払うなどの条項を付けられるということです。

前回解説したように、保証の付従性から保証債務は主債務よりも重い内容になってはいけないのですが、これは保証債務の内容自体が重くなっているわけではないので、保証の付従性には反しないのですね。

あくまで保証人が負う債務は、主債務と同一内容ですが、万が一保証債務が履行されなかった場合に、別途重い責任を負う可能性があるということです。

この2項の知識は、保証の付従性と混同しやすいので、よく試験によく出題されます。注意しましょう。

■■ 豆知識 ■■

これからの話は、解除についてまだ解説していないので意味が分からない人は読み飛ばして下さい。

447条1項に関連する論点として重要なものが1つあります。

それは、契約解除によって生じる原状回復義務及び損害賠償義務(545条)が保証債務の担保する範囲に含まれるのかという論点です。

例えば、売買契約を例にしましょう。

売主甲が中古車を100万円で買主乙に売ったとします。そして、売主甲のために保証人丙がついていたとします。

甲(売主)----------->乙(買主)
丙(保証人)

この時に、乙が100万円を支払ったのに、甲が何らかの理由でいつまでたっても中古車を引き渡さないため、乙が債務不履行(履行遅滞)による契約解除(541条)をしたとします。

契約が解除されると、遡及効が生じますので、最初から契約はなかったことになり、それぞれが原状回復義務を負います(545条1項)。

原状回復というのは、元の状態に戻すということです。

お金を受け取った人はそれを返さなければならないし、物を受け取った人はそれを返さなければなりません。

さきほどの具体例だと、甲は受け取った100万円を乙に返さなければなりません。

その100万円の返還義務について保証人は責任を負うかという問題です。

さきほども、述べたように契約が解除されると遡及効が生じます。

遡って最初から契約は無かったことになるということです。

とすると、保証の付従性から主債務が不成立だったのだから、保証債務も不成立となり、保証債務は最初から無かったことになるので、保証人は一切責任を負わないとも考えられるわけです。

これがこの論点の問題の所在です。

形式的に考えると保証人は、解除による原状回復義務や損害賠償債務を負わないと考えるのが素直なんですね。

しかし、そのように考えるとわざわざ売主に保証人を立てさせた買主の乙がかわいそうですし、何より普通に考えて不自然ですよね。

契約当事者の普通の意思としては、当事者が負担する一切の債務を保証して、契約の債務不履行から生じる損失についても担保すると考えるのが自然でしょう。

ということで、判例は、売主の債務不履行により契約が解除された場合における原状回復義務についても保証人は責任を負う、としました。

先ほどの具体例で言えば、もし売主の甲が受け取った100万円を乙に返還しなければ、保証人丙が代わりに100万円を丙に支払わなければならないことになります。

これも試験によく出題される重要論点ですので、きちんと理解した上で判例の結論を覚えておきましょう。

■■ 編集後記 ■■

今回は、条文の解説は簡単でしたね。

ただ、豆知識で解説した重要論点が少し難しかったかもしれません。

論点で、最も大事なのは問題の所在です。

論点と結論だけ覚えているという人が多いのですが、それでは本当にその論点を理解していることにはなりません。

そもそも、どうして、それが論点になっているのかという問題の所在をしっかりと理解しましょう。

今回で言えば、解除の遡及効と保証の付従性によって、保証債務は初めから無かったから、保証人は責任を負わないように思えるというのが問題の所在ですね。

解除については、まだ解説していないので、少しわかりにくいかもしれませんので、今は分からないという人も大丈夫です。

民法は、全体が密接に絡み合っているので、一度全体を勉強しないと分からない部分がどうしても出てきてしまいます。

だから、条文を前から順番に解説していくという、このメルマガのスタイルでは、一度一通り全部終わって、2週目から本当に民法が理解できるようになっていくと思います。

ということで、早く全体を一通り終わらせるために、できるだけ発行頻度を上げられるように頑張りたいと思います。

それでは、次回もお楽しみに。

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(裏編集後記)

最近、中国から商品を仕入れてメルカリで販売するという商売を始めたのですが、思ってたよりメルカリ売れますね。

昔は勢いのあったヤフオクが全然売れません。

ヤフオクは完全にメルカリにやられた感じがします。

日本のインターネットの世界で盤石の地位を築いていたヤフーの力が徐々に弱まっているような気がします。

ソフトバンクの後継者とされていた、ニケシュ・アローラが「ヤフージャパンみたいな、技術力のない会社はさっさと売ってしまえ」みたいなことを言っていたらしいですが、確かにその通りなのかもしれません。

スーパーセルを売却するタイミングも最高だったし、やっぱりニケシュ・アローラって只者じゃないです。

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