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第388号 2018・9・8

■■ はじめに ■■

みなさん。こんにちは。

私の住んでいる地域では、台風が過ぎたと思ったら、今度は猛烈な雨が降ってきて、ケータイの防災アラームが鳴り響き夜中に起こされました。

最近、天候が荒れたり災害が多いので、皆さんも本当に気をつけて下さい。

さて、前回から443条の解説をしています。

通知を怠った連帯債務者の求償が制限される場合があるということでしたよね。

このあたりは、多数の当事者が登場して、ただでさえややこしいのに、さらに求償となってくると、本当に頭が混乱してしまいそうになりますよね。

しかも、443条では、相殺(505条)とか不当利得(703条)の意味がある程度分かっていないとさらに理解が難しいと思います。

なので、今は意味が分からなかったとしても、気にしないで下さいね。

あとで、民法全体の勉強が進むに連れて、だんだん分かってくるようになりますので。

ということで、今回は443条の解説の2回目ということで、2項の解説をします。

それでは、早速始めていきましょう。

▼▼▼ 第443条(通知を怠った連帯債務者の求償の制限) ▼▼▼
1項
連帯債務者の一人が債権者から履行の請求を受けたことを他の連帯債務者に通知しないで弁済をし、その他自己の財産をもって共同の免責を得た場合において、他の連帯債務者は、債権者に対抗することができる事由を有していたときは、その負担部分について、その事由をもってその免責を得た連帯債務者に対抗することができる。この場合において、相殺をもってその免責を得た連帯債務者に対抗したときは、過失のある連帯債務者は、債権者に対し、相殺によって消滅すべきであった債務の履行を請求することができる。

2項
連帯債務者の一人が弁済をし、その他自己の財産をもって共同の免責を得たことを他の連帯債務者に通知することを怠ったため、他の連帯債務者が善意で弁済をし、その他有償の行為をもって免責を得たときは、その免責を得た連帯債務者は、自己の弁済その他免責のためにした行為を有効であったものとみなすことができる。

■■ 解説 ■■

前回は、1項の事前の通知を怠った場合の解説をしました。

今回は、2項の事後の通知を怠った場合について説明します。

2項は1項よりも分かりやすいと思いますので、頑張っていきましょう。

いつもと同じように、具体例を挙げて説明していきます。

B、CがAに対して100万円の連帯債務を負っているとします(負担部分は平等とします)。


    100万円
A----------->B
  ----------->C

この時に、CがAに100万円を弁済しましたが、その後、Bに対して「私が100万円弁済しましたよ。」という事後の通知をしませんでした。

Bは、当然、Cが弁済したなんて知らない訳ですから、BもAに対して善意で100万円の弁済をしてしまいました。

もちろん、この時点で二重に弁済を受けているAが一番悪いわけですが、その点はとりあえずおいておきます。

その後、Cは、Bに対して負担部分50万円(100万円/2)について求償請求をしました。

この時に、Bは自分がAに対してした第二弁済の方を有効とみなして、Cからの求償を拒むことができます。

これを規定しているのが、443条2項です。

まずは、ここまでを完全に理解しておきましょう。

ここまで理解していれば、とりあえずは大丈夫なのですが、この後の処理がどうなるのか一応説明しておきます。

Bは自分の弁済を有効とすることができますので、Cに対して50万円(100万円/2)の求償をすることができます。

Bは、100万円をAに支払って、50万円をCから受け取っているので、マイナス50万円ですよね。

Bは、100万円の連帯債務を負っていて、負担部分は平等なので、50万円の負担を負っています。

ということで、マイナス50万円になっているBはこれで終わりです。

次に、Cです。

Cは、100万円弁済したにもかかわらず、Bに求償を拒まれてしまいます。

さらに、Bから50万円の求償請求をされるので、マイナス150万円です。

本来Cが負担しなければならない金額は50万円(100万円/2)ですから、100万円損をしているわけです。

この時に、考えるのは、「じゃあ、代わりにその分の得をしているのは誰か?」ということです。

簡単ですよね。二重に支払いを受けているAが不当に得をしているわけです。

Aは、もともと100万円の債権しか有していないのに、二人から二重に弁済を受けることによりプラス200万円になっているわけです。

100万円は何の理由もないのに受け取っているわけです。

不当利得(703条)の条文の文言でいうと「法律上の原因無く他人の財産又は労務によって利益を受け」ているわけです。

余裕のある人は703条の条文を一度読んでみて下さい。

なので、CはAに対して、100万円の不当利得返還請求をすることになります。

これで、Cはマイナス150万円がマイナス50万円になりますよね。

これで、Cも終わりです。

次にAですが、もともと持っていた債権は100万円です。

にもかかわらず、BとCから100万円ずつ受け取ってプラス200万円になっています。

ただ、Cから100万円を不当利得返還請求されるので、結局最終的にはプラス100万円になります。

これでAも終わりです。

これで、見事にA、B、Cの全員が公平に処理できましたよね。

このように不当利得(703条)というのは、最終的に全員が公平になるように処理できる便利な規定なのです。

ただ、現実問題としては、このようにうまくはいかない事が多いです。

問題になるのはAですね。

Aは100万円の債権しか有していないのに、二重払いを受けて200万円受け取るような悪い奴です。

そいういう人間は、Cが不当利得返還請求する頃には、だいたい姿を消しています。

なので、実際は、CがAから100万円取り戻すのはかなり難しいのです。

■■ 豆知識 ■■

443条2項も少しだけ改正されています。

1項と同様に、改正民法では、存在を知らない連帯債務者に対して通知を義務づけると言うことはあまりにも酷であることから2項についても「他の連帯債務者があることを知りながら」と言う要件が付加されています。

【改正民法 443条】
1項
他の連帯債務者があることを知りながら、連帯債務者の一人が共同の免責を得ることを他の連帯債務者に通知しないで弁済をし、その他自己の財産をもって共同の免責を得た場合において、他の連帯債務者は、債権者に対抗することができる事由を有していたときは、その負担部分について、その事由をもってその免責を得た連帯債務者に対抗することができる。この場合において、相殺をもってその免責を得た連帯債務者に対抗したときは、その連帯債務者は、債権者に対し、相殺によって消滅すべきであった債務の履行を請求することができる。

2項
弁済をし、その他自己の財産をもって共同の免責を得た連帯債務者が、他の連帯債務者があることを知りながらその免責を得たことを他の連帯債務者に通知することを怠ったため、他の連帯債務者が善意で弁済その他自己の財産をもって免責を得るための行為をしたときは、当該他の連帯債務者は、その免責を得るための行為を有効であったものとみなすことができる。

■■ 編集後記 ■■

今回で443条の解説は終わりです。

もっと、他にも解説したいことはいっぱいあるのですが、今の段階ではこれだけ理解できていれば十分です。

ちなみに、解説の最後の方で説明した不当利得による最終的な処理の部分は、今はわからなくても大丈夫です。

不当利得の解説が終わってから、あらためて読むと分かりやすいと思います。

今は、まだ不当利得の説明をしていないので、難しいのです。

ただ、大切なのは、誰が不当に損をして、誰が不当に得をしているのかを考えることです。

そして、どのように処理すれば公平なのかということを考える癖をつけておきましょう。

それでは、次回もお楽しみに。

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昨日テレビで、池上彰がAIの解説をしていましたね。

現実は、あれよりもはるかにAIは進化しています。

本当に、私たちは、今、人類がかつて経験したことのないような大きな変化の真っ只中に生きていますね。

ダーウィンが残した名言があります。

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