第341号 2010・10・20
■■ はじめに ■■
みなさん、おはようございます。
本当に久しぶりの発行になってしまいました。
諸事情でどうしても発行することができない状態が続いておりました。
このまま発行停止ということも考えたのですが、何人かの読者様からの、楽しみに待っているとの内容のメールで励まされ、何とか再開することができました。
少しでも民法に興味を持っている読者様に役立つ情報を提供していきたいと思っていますので、今後ともよろしくお願いいたします。
それでは、はじめていきましょう。
▼▼▼ 第408条(選択権の移転) ▼▼▼
債権が弁済期にある場合において、相手方から相当の期間を定めて催告をしても、選択権を有する当事者がその期間内に選択しないときは、その選択権は、相手方に移転する。
■■ 解説 ■■
選択権を有する者が、いつまでも債権を選択しない場合、相手方は、不安定な状態に置かれることになります。
そこで、相手方に催告権を与え、相当の期間を定めて債権を選択するように催告し、その期間内に選択権を有する者が選択しない場合には、選択権が移転するようにしているのです。
結局、選択権が自分に移転してくることになるので、自分で選択権を行使して、債権を特定し、債務の履行を請求することができるようになります。
具体例で説明します。
甲さんが、息子の乙さんに、東大に合格したらベンツを買うための費用か、留学の費用をプレゼントするという約束をしたとします。
選択権についての特約は特にないので、406条により、選択権は債務者である甲さんにあります。
その後、乙さんは見事に東大に合格しました。
しかし、甲さんは、選択権を行使して、債権をどちらかに特定し、債務を履行しようとしません。
乙さんとしては、早くベンツを買うための費用か留学するための費用が欲しいわけです。
乙さんは、どちらがもらえるのかいつまでもわからず、非常に不安定な状態に置かれてしまいます。
このような場面で、408条が役立つのです。
乙さんは、甲さんに対して「2週間以内にどちらかに早く決めてください。」と催告するのです。
2週間経過しても甲さんが、選択しないときは、選択権が乙さんに移転します。
乙さんは、前からベンツが欲しいと思っていたので、自分で選択権を行使して、ベンツを買うための費用を甲さんに請求することができるようになるのです。
この条文と同じような趣旨の条文としては、20条の制限行為能力者の相手方の催告権があります。
ついでに、チェックしておきましょう。
■■ 豆知識 ■■
選択債権が第三者に属する場合には、この408条は適用されません。
さきほどの具体例の場合は、債務者に選択権が属していましたが、債権者に選択権が属する場合でも408条は適用されます。
■■ 編集後記 ■■
選択債権の条文は、難しいものはありません。
理由がわかれば、すぐに理解することができると思います。
ただ、民法が出題される資格試験などでは、時々出題されますので、試験を受験する人は細かい知識ですが、記憶しなければなりません。
記憶するというのは、苦手な人にとっては、つらい作業ですが、試験に合格するという意味では避けて通ることのできないプロセスです。
そこで、おすすめしたいのが、記憶するという作業を寝る直前にやることです。
今、流行の脳科学で証明されているそうですが、人間は寝ている間に、脳にインプットされた情報を整理するのだそうです。
ですから、寝る直前に記憶しなければならない情報を脳に一気にインプットしてやると寝ている間に整理されるのです。
5分か10分でもいいので、これを毎日繰り返すと効率よく記憶することができます。
実際に私自身も、実践しているのですが、本当に効率よく記憶できます。
朝、起きたら昨日の情報がしっかりと定着していることがよくあります。
一度、だまされたと思って、1ヶ月くらいやってみてくださいね。
発行:株式会社シグマデザイン
http://www.sigmadesign.co.jp/ja/
日本で実施されている資格を調べるには資格キングをご利用下さい。
なお、配信解除希望とのメールをいただくことがあるのですが当方では応じることができません。解除フォームよりご自身で解除していただきますようお願いいたします。
(裏編集後記)
受験生におすすめの在宅アルバイト。簡単な文章を入力するだけでお小遣い稼ぎができます。文章を書く訓練にもなって一石二鳥のお仕事です。
民法や法律のことは、あまりつぶやいていませんが、ツイッターをやっています。
メルマガも再開したので、民法に関するつぶやきも増えるかもしれません。
興味がある人は、フォローしてください。
http://twitter.com/#!/minomonchan
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