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第320号 391条 2008・4・16

■■ はじめに ■■

みなさん、こんにちは。デスクワークばかりしていると、頭がぼーっとしてきます。

学習効率や作業効率も下がります。

さて、今日は、民法391条の解説です。重要性は低いと思いますが、趣旨を考えれば覚えやすいという条文ですので、条文の趣旨から考える訓練になる条文だと思います。

それでは、さっそくはじめていきましょう。

第391条(抵当不動産の第三取得者による費用の償還請求)

抵当不動産の第三取得者は、抵当不動産について必要費または有益費を支出したときは、第196条の区別に従い、抵当不動産の代価から、他の債権者より先に償還を受けることができる。

■■ 解説 ■■

抵当権が設定された不動産が競売された場合、先順位の抵当権者から順番に優先弁済を受けることになります。

例えば、1000万円の土地に対して、500万円の債権を有する1番抵当権者A、300万円の債権を有する2番抵当権者B、300万円の債権を有する3番抵当権者C、がいたとします。

このような事例で、抵当権が実行され不動産が競売にかけられた場合、1番抵当権者であるAがまず、500万円を取り、次に2番抵当権者であるBが300万円を取り、最後に3番抵当権者のCが残りの200万円を取ることになります。

ただ、抵当不動産に第三取得者が存在し、その第三取得者が必要費や有益費を支出していた場合には、まず第三取得者がその必要費や有益費を196条の区別に従って1番抵当権者より優先して償還を受けることができます。

さきほどの事例で、甲が債務者で、抵当不動産を所有してましたが、後に、乙に抵当不動産を譲渡していたとします。

そして、乙がその不動産の壊れていた部分を修理などして10万円の必要費や有益費を支出していたとします。

すると、競売された時に、1番抵当権者であるAより先にその10万円を受け取ることができるのです。

なぜなら、必要費や有益費というのは、いわば一種の全員のために支出された共益費と考えることができるわけです。

もし、乙が10万円をかけて不動産を修理しなかったとすれば、その被害が拡大して、抵当不動産の価値が100万円くらい下落していたかもしれません。

その被害を防いで抵当不動産の担保価値を維持したわけです。

すると、抵当不動産が競売にかけられた時に高く売れます。

そして、高く売れたときに得をするのは、全ての債権者です。

つまり、全ての債権者のために得になることを、第三取得者である乙さんは自分のお金でしたわけです。

にもかかわらず、その費用を1円も回収することができないとなれば、第三取得者にあまりにも酷な結果となります。

そのような結果になるのであれば、被害が拡大して、誰も修理などして抵当不動産の担保価値を維持しようとしなくなるかもしれません。

となれば、どんんどん抵当不動産の担保価値が下落していきます。

競売にかけたときに、安くでしか売れなくなり、結局全ての債権者が損をすることになります。

そこで、391条は、第三取得者が支出した必要費や有益費は、優先的に償還できるようにしようとしているのです。

■■ 豆知識 ■■

今日は、特に豆知識はありません。

■■ 編集後記 ■■

391条は、重要性が低いので、特に気にする必要はないのですが、なぜこのような条文があるのか、つまり条文の趣旨を考えるいい素材になると思います。

趣旨のない条文というのは原則として存在しないので、民法に限らず、条文を見れば、必ず趣旨を考えるようにしてください。

それから、前回の390条の解説で、誰でも買受人になることができると書いてしまいましたが、「債務者」は買受人になることができません。

それでは、次回もお楽しみに!!

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趣旨を考えるというのは、目的を明確にするというのと似ているかもしれません。

なぜ、この条文があるのか?(趣旨)なぜ、自分はこれをしているのか?目的は何なのか?(目的)

何をするにしても、目的が明確でないとうまくいきません。

Webサイトを作るにしても、どのような目的のためにWebサイトを作るのかを考えて作るとうまくいきます。

自社の知名度を上げるため?物を売るため?リストを収集するため?などなど。

目的によってやることが全く変わってきますので、まずは目的を明確化するというのはとても大事です。

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