第30号 2005・6・14

■■ はじめに ■■

みなさん、おはようございます。今回は第30号です。今日もはりきっていきましょう。

今日は30回ということで、民法第30条です。

今日から、話がガラっと変わります。しかも、かなり重要な条文ですので、いつもよりはじっくりと読んで見てください。

▼▼▼ 第30条(失踪宣告) ▼▼▼

1項
不在者の生死が7年間明らかでないときは、家庭裁判所は、利害関係人の請求により、失踪の宣告をすることができる。

2項
戦地に臨んだ者、沈没した船舶の中に在った者その他死亡の原因となるべき危難に遭遇した者の生死が、それぞれ、戦争が止んだ後、船舶が沈没した後又はその他の危難が去った後1年間明らかでないときも、前項と同様とする。

■■ 解説 ■■

不在者の生死が不明の状態が続くと、不在者の財産や身分関係に関していつまでも、不安定状態が継続してしまうので、不在者を死亡したものとして、扱い法律関係を確定させるための条文です。

例えば、何十年も行方不明の人がいたとします。

その場合でもこの規定がなければ、その人が死んだことが確定できないので、いつまでたっても相続が開始しません。

下手すれば、相続する前に子供や孫まで老衰で死んでいってしまうということになり、不都合なわけです。

そこで、一定の期間が経過した場合、利害関係人の請求によって、家庭裁判所が失踪宣告というものをします。

すると、その人は死んだということになるのです。つまり、相続も開始することになります。

■■ 豆知識 ■■

1項を普通失踪といい、2項を特別失踪といいます。

1項が7年間となっているのに、2項が1年間となっているのは、戦争に行ったとか、沈没した船に乗っていたということになれば、死んでいる確率はかなり高いですよね。

だから、期間を短く設定してあるのです。

それから、上の話と関連して死亡したとされる時期が、1項と2項では違うので、注意しましょう。

1項は、失踪期間の満了時です。他方、2項は、危難が去った時です。

■■ 編集後記 ■■

失踪宣告の条文は少ないですが、かなり大事です。

といっても、3分で読める量に凝縮しているので、いつもと分量は変わりません。

あまり、長い内容になっても、読むのが大変ですしね。

発行:株式会社シグマデザイン
http://www.sigmadesign.co.jp/ja/

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