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第231号 2006・12・25

■■ はじめに ■■

みなさん、こんにちは。久しぶりの配信になってしまいましたが、前回問題を出しておいたので、ゆっくりと考えることができたと思います。

その問題の解説と、留置権の2番目の要件の解説をします。

さて、今年ももうすぐ終わりですが、受験生の立場にある人は、そんなもの関係ありません。

みんなが休んでいる時期こそ頑張らなければならない時です。

みんなが休んでいる時に、一緒に休んでいては差を縮めることはできませんからね。

ただ、何度も言っていますが、がむしゃらにやれば結果が出せるとは限りません。

できるだけ、効率的に勉強することが大事です。

それでは、はじめていきましょう!!

▼▼▼ 第295条(留置権の内容)▼▼▼

1項
他人の物の占有者は、その物に関して生じた債権を有するときは、その債権の弁済を受けるまで、その物を留置することができる。ただし、その債権が弁済期にないときは、この限りでない。

2項
前項の規定は、占有が不法行為によって始まった場合には、適用しない。

■■ 解説 ■■

さて、さっそくですが、留置権の成立要件をもう一度確認しておきましょう。

〜留置権の要件〜

1、債権と物との牽連性(「その物に関して生じた債権を有する」)

2、債権が弁済期にあること

3、留置権者が他人の物を占有していること

4、占有が不法行為によって始まったものでないこと(2項)

前回は、要件1の債権と物との牽連性(「その物に関して生じた債権を有する」)について解説しました。

それに関する問題があったので簡単に解説しておきます。

〜問題1〜

Aを貸主、Bを借主とする家屋を目的とする賃貸借契約が成立しました。その後、Bさんは家屋に対して必要費・有益費などの費用を支出しました。この場合のBさんの費用償還請求権という債権と家屋という物との間に牽連性は認められるでしょうか?つまり、Bさんは「自分が支出した費用を払ってくれるまで、家は返さない!」と言うことができるかということです。

〜解説〜

さて、この問題は簡単ですよね。

前にも言いましたが、「物を留置することによって、相手方に弁済を促すことができる関係にある」かどうかを検討すればいいわけです。

そのために、まず留置権の被担保債権を確定する必要があります。(留置権などの担保物権によって、担保される権利を被担保債権と言います。)

この場合の、被担保債権は、BのAに対する費用償還請求権ということになります。

まだ、解説していませんが、民法608条に規定されています。

では、本件家屋を留置することによって、BのAに対する費用償還請求権の弁済を促す関係にあるといえるでしょうか?これは、そのような関係にありますよね。

なぜなら、Aさんは、家を返して欲しければ、Bさんに費用を支払わなければならないわけですから。

ということで、この問題は、1、債権と物との牽連性という要件を充たすことになります。

それでは、次にいきましょう!!

〜問題2〜

Aさんは甲という不動産を有していました。その後、Aさんは、甲不動産を、Bさんに売り、引渡しをしました。

しかし、さらにその後、Aさんは甲不動産をCさんにも売り、Cさんは登記を完了しました。

この場合、177条で登記を具備したCさんが勝つわけですから、負けたBさんはAさんに対して損害賠償請求をしていくことになります。

ただ、Cさんが登記を先に具備した以上は、甲不動産はCさんに引き渡さなければなりません。

この場合、BさんのAさんに対する損害賠償請求権という債権と、甲不動産という物との間に牽連性は認められるでしょうか?

〜解説〜

この場合はどうでしょうか?まず、被担保債権は、BさんのAさんに対する損害賠償請求権です。

そして、甲不動産という物の所有者は、民法177条でCさんということになります。

では、この場合、「物を留置することによって、相手方に弁済を促すことができる関係にある」といえるでしょうか?

結論からいえば、そのような関係にはないということになります。

なぜなら、被担保債権はBからAに向けられているものであり、物の所有者はCさんにあるからです。

つまり、Bさんが、Aさんに対して、「甲不動産を返して欲しければ、金を払え!」と言ったところで、Aさんからすれば、その甲不動産はもはや自分のものではないわけですから、返してもらえなくたって、痛くもかゆくもないわけです。

すなわち、「物を留置することによって、相手方に弁済を促すことができる関係にある」とはいえないわけです。何となく理解できたでしょうか?

少し難しいので、今はそんなに気にしなくてもかまいません。

少しずつ分かっていけばいいかと思います。

さて、最後に少しだけ2つ目の要件である「債権が弁済期にあること」という要件を解説します。

これは簡単です。そもそも、留置権というのは、ある特定の債権を担保するために認められた権利です。

そして、債権が弁済期にないということは、まだその債権の履行を請求することができません。

すなわち、留置権によって担保されるべき債権自体がまだ存在してないのですから、当然、留置権も発生しません。

ですから、留置権の成立要件の一つとして、「債権が弁済期にあること」という要件が要求されているのです。

■■ 豆知識 ■■

少し難しいのですが、一応紹介しておきます。

分からなければ、読み飛ばしていただいてもかまいません。

民法608条のあたりの解説が終わってから、もう一度戻ってきてください。

有益費の償還請求権について、裁判所が物の回復請求者に相当の期限を許与したときは、占有者は、その物の留置権を失います。

■■ 編集後記 ■■

少し議論が難しくなってきていると思います。

難しい話をしているので、難しいと感じるのは当然ですので、安心してください。

なぜ、あえて難しい話にまで突っ込んでいるのかというと、法律の思考プロセスを理解して欲しいからです。

一つ一つ要件を丁寧に検討していくというのが、法律の思考プロセスとして極めて重要ですから、そのプロセスになれてもらうために難しい話もしています。

分からなくても大丈夫です。

ただ、どういう思考プロセスをたどればいいのかということをしっかりと考えてくださいね。

年末年始、休み返上で勉強される方も多いと思いますが、せっかくやるのですから効率よくやりましょうね。

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今年もあとわずかです。

ただ、忘年会など、いろいろとやることがあって、年末までけっこう忙しいです。

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