第127号 2006・2・4
■■ はじめに ■■
みなさん、おはようございます。今日は、少し難しい条文の解説になります。
とりあえず、原則論を紹介しますので、それだけ理解してください。
あとは難しいので、このメルマガを読んでいくうちに理解していただくことができると思います。
何度も言っていますが、わからなくても先に進む。
これは法律の勉強をする時の鉄則です。
第148条 (時効の中断事由の効力が及ぶ者の範囲)
前条の規定による時効の中断は、その中断の事由が生じた当事者及びその承継人の間においてのみ、その効力を有する。
■■ 解説 ■■
前回解説した147条を覚えているでしょうか?
請求、差押え、承認などの事由があった場合に時効が中断するということを説明しました。
その時効の中断が及ぶ者の範囲を定めたのが、この148条です。
そして、148条は、時効の中断が及ぶ者の範囲を当事者及びその承継人の間においてのみ、その効力を有すると規定しています。
これを「時効の相対効」といいます。
ただ、例外がいくつかありますので、これから出てくるたびに追々説明していこうと思います。
まず、時効の中断の効力は当事者及びその承継人にのみ及ぶという「時効の相対効」を原則として覚えておいてください。
これだけでは、分かりにくいと思いますので、事例を一つだけ紹介しておきます。
例えば、ある土地をAさんとBさんが共有していたとします。
そして、その土地をCという人が占有していたとします。
この時、Aさんが、自分の土地がCに時効取得されることを防ぐために、Cに対して請求をしました。(持分確認の訴えなど)
この場合、AC間では、時効が中断しますが、BC間では時効が中断しません。
つまり、そのままCさんが占有すれば、Aさんの持分については、時効取得することはできませんが、Bさんの持分については、時効取得することができるということです。
共有とか持分というのは、249条くらいで出てきますので、今はあまり気にしないでください。
■■ 豆知識 ■■
さきほど、例外がいくつかあるといいましたが、かなり後で解説することになる、保証や連帯保証、連帯債務などの部分で出てきます。
一つだけ例外を紹介しておきます。Aさんが、Bさんに100万円を貸しました。
そして、Cさんがその保証人になりました。
この時、AさんがBさんに対して請求をしました。
すると147条1号で、時効が中断します。
そして、この効力は148条によると、Cさんには及びませんよね。
なぜなら、Cさんは、ただの保証人で、当事者でもないし承継人でもないからです。
しかし、この場合、Cとの関係でも時効が中断します。
これは、457条1項で例外が規定されています。
また、その条文の解説のときに詳しく解説しますね。
■■ 編集後記 ■■
今日の条文は非常に細かいし非常に難しい部分です。
ただ、法律系の資格試験にはよく出題されます。
このあたりはすぐに理解することが難しいので、あまり気にしないでください。
それでは、次回もお楽しみに!!
発行:株式会社シグマデザイン
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(裏編集後記)
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昨日、セブンイレブンに行ったのですが、店員さんが、全員鬼のかぶり物をかぶっていました(^O^)
クリスマスに女の子がサンタクロースの格好をしているとかはいいのですが、鬼のかぶり物はちょとねー。
しかも、そのかぶり物が変なんですよ。
レジで清算をしている時に笑いをこらえるのが大変でした\(^O^)/
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