第109号 2006・1・9
■■ はじめに ■■
みなさん、おはようございます。
昨日、あまりの雪で、自衛隊が出動することが検討されているということをお話しましたが、今日ついにほんとうに出動されたようです。
雪がよく降る地域の方は気をつけてくださいね。
それでは、さっそく始めましょう!!
▼▼▼ 第125条(法定追認) ▼▼▼
前条の規定により追認をすることができる時以後に、取消すことができる行為について次に掲げる事実があったときは、追認したものとみなす。ただし、異議をとどめたときはこの限りでない。
1、全部又は一部の履行
2、履行の請求
3、更改
4、担保の供与
5、取消すことができる行為によって取得した権利の全部又は一部の譲渡
6、強制執行
■■ 解説 ■■
この125条は1号から6号までが規定されており、法定追認といいます。
前回の解説で、追認をするにはその行為が取消すことができるものであるということを自分が分かっていることが必要といいました。
しかし、この法定追認は本人がそのような事情を知っていることが必要ありません。
つまり、未成年者が成年になったなど、単独で追認をすることができる状態になった後にこの125条の1号〜6号に規定されている事由が生じた時には、当然に追認が生じるのです。
法律で当然に追認がなされたことになるので、法定追認といいます。
この125条は、追認の有無をめぐって法律関係が複雑化するのを防止して早期に法的安定を図るための規定です。
それから、1号、3号、4号、は債務者、債権者を問わずどちらがしたとしても追認の効力が生じます。
反対に、2号、5号、6号は取消権者がした場合でないと追認の効力は生じません。
少し分かりにくいので、2号の履行の請求を使って一つだけ説明します。
例えば、未成年者Aが単独で、Bにバイクを売りました。
この場合、取消権者はAですよね。
この時に、Aが成年になった後に、Bに対してバイクの代金の支払い請求をしたとします。
これは履行の請求にあたりますので、法定追認となります。
しかし、反対にBがAに対してバイクの引渡し請求をしたとしても、法定追認は生じません。
ですから、Aはまだ取消すことができます。
■■ 豆知識 ■■
この125条は非常に重要な条文です。
特に法律系の資格や公務員試験など民法が出題される試験では、必ず出題されます。
ですから、この125条の1号から6号は全部覚えてしまってください。
覚えるのが大変なので、語呂合わせを一つ紹介します。
ちょっと下ネタ系ですが、非常に使える語呂合わせなので、ぜひ覚えてください。
「しっぽりと上手な性交」
しっ ぽ り と じょう ずな せい こう
↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑
6号 4号 1号 5号 2号 3号
執行 担保 履行 譲渡 請求 更改
■■ 編集後記 ■■
豆知識で、語呂合わせを一つ紹介しましたが、非常に使えます。
他にもいろいろあるのですが、民法の語呂合わせはなぜか下ネタ系の語呂合わせが多いです。
また、少しづつ紹介していきますね。
人間の記憶力というのは、何かと関連させて覚えると忘れないのです。
よく理解すると忘れないので、しっかりと理解することが重要だと言われますが、語呂合わせも、おそらくこれと関連しているのだと思います。
語呂合わせといっても、一応意味のある言葉ですので、それと関連させて覚えることができるので、忘れにくいのでしょう。
それでは、次回もお楽しみに!!
発行:株式会社シグマデザイン
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