第369号 2015・11・24

■■ はじめに ■■

みなさん。こんにちは。

前回で詐害行為取消権の基本的な部分の解説は終わりました。

まだまだ、他にもいろいろあるのですが、あまり深入りすると先に進めなくなりますので、今日は次の条文に進みます。

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それから、アプリの件で、Androidにも対応して欲しいという要望がたくさんありました。

申し訳ございませんが、今のところ対応の予定はございません。

技術的な話をすると、iPhoneのアプリはObjective-CかSwiftというプログラミング言語を使うのに対して、AndroidアプリはJavaというプログラミング言語を使います。

私は、Javaの知識が全くないので、Androidアプリを作るとなるとJavaを少し学習しないといけないので、どうしても学習コストが高くなってしまいます。

今はちょっとそこまでの余裕が無いので、ご理解よろしくお願い致します。

それでは、さっそくはじめましょう。

▼▼▼ 第424条(詐害行為取消権) ▼▼▼

前条の規定による取消しは、すべての債権者の利益のためにその効力を生ずる。

■■ 解説 ■■

前回解説した424条は詐害行為取消権の要件についての規定でした。

どのような場合に詐害行為取消ができるのかをいろいろと書いてある条文です。

そして、今回解説する425条は、詐害行為取消の効果についての条文です。

424条に規定されている要件を充した場合、詐害行為取消ができるわけですが、じゃあ、詐害行為取消をすればどのようになるのか?詐害行為取消をした場合の効果を規定しているのが425条です。

425条は詐害行為取消の効果は「すべての債権者の利益のためにその効力を生ずる」と規定しています。

詐害行為取消権が行使された場合、現物返還請求か価格賠償請求ができるわけですが、それらの物や金銭は詐害行為取消をした者が受け取れるわけではなく、一旦債務者の下に返還されて、それが総債権者の共同担保となります。

あとは競売などをして債権者平等の原則により、債権額の割合に応じて平等に分け前を回収するというのが原則になります。

例えば、甲が乙に対して100万円の貸金債権を持っています。その後、乙が丙に唯一の資産である土地を売却して引き渡し、さらに丙が丁にその土地を売却して売り渡したような事例で考えましょう。

また、甲の他に乙に対して100万円の貸金債権を有する戊がいたとします。なお、土地の価格は100万円とします。

現在、土地は丁のもとに有ります。

甲(債権者)

乙    →   丙  →   丁
(債務者)  (受益者)   (転得者)

乙丙間の売買契約が詐害行為の要件を充しているとして、現在の土地の所有者丁は詐害行為について悪意だとします。

この場合、甲は詐害行為取消権を行使して、丁に土地の返還を請求(現物返還請求)します。

この時、甲は土地を自己のもとに引き渡すように請求することはできません。あくまで詐害行為取消は「すべての債権者の利益のために」行われなければならないので、土地は債務者乙に返還しなければなりません。

債務者乙のもとに土地が戻ってきた段階で、差押え、競売をしてその売却代金100万円を乙の債権者である甲と戊の2人で50万円ずつ回収するという事になります。

要するに、詐害行為取消をした甲が全て回収できるわけではないということですね。

さきほどの事例では、丁が詐害行為について悪意という設定にしました。少し事例を変えて、丙が悪意で丁が善意の場合はどうなるでしょう?

善意である丁には詐害行為取消を主張できませんので、悪意の丙に対して詐害行為取消を主張する事になります。

丙はすでに土地を丁に譲渡していますので、丙に対して現物返還請求をすることはできず、100万円の価格賠償請求をすることになります。

したがって、100万円を乙に返してもらって、それを甲と戊の2人で50万円ずつ回収することになります。

ここまでが425条の原則論です。

ここで1つ重要な論点があります。

さきほどの丙が悪意で丁が善意の場合、丙に100万円を乙のもとに返すよう請求できるわけですが、もし、乙がその100万円を受け取らなかったらどうすればいいでしょうか?

乙は自分の手元に100万円が入ってきたとしても、どうせ債権者甲と戊に取られるわけですから、嫌がらせをしようと思って受け取らないという事も考えられますよね。

そのような場合、詐害行為取消をした甲は100万円を乙のもとにではなく、直接自分に渡せと主張できるでしょうか?

425条の趣旨から自然に導かれる原則論ではできませんよね。

でも、判例は取消債権者による直接引き渡し請求を認めています。

甲は100万円を自分に支払えと主張する事ができるのです。

その理由は、債務者が受け取りを拒んだ時には直接引渡請求を認めないと詐害行為取消権の制度が機能しなくなってしまうからですね。

直接引渡し請求が認められた場合には、債権者は当然受け取った金銭を債務者に返還しなければなりませんが、この債務者の有する返還請求権と債権者が持っている債権を相殺する事ができます。

ということは、詐害行為取消権を行使して自己への直接引渡し請求をした債権者は、他の債権者を出し抜いて事実上の優先弁済を受けたことと同じことになります。

いったん債務者乙のもとに戻した場合は、甲は50万円しか回収できなかったのに、直接自己に引渡しを請求して相殺した場合は100万円全額回収したのと同じことになりますよね。

これは425条の本来の趣旨からはズレた結論となりますが、やむを得ないということです。

1つ注意しなければならないのは、金銭の場合は自己への直接引渡し請求が認められますが、不動産の現物返還請求の場合には自己への直接引渡し請求は認められません。

理由は、司法書士の勉強をされている人なら分かると思いますが、詐害行為取消は必ず裁判所に請求する必要があるので、登記の共同申請主義の例外として、不動産の場合は債務者の意思に反してでも登記を債務者の名義に戻す事ができるからです。

これは不動産登記法の話なので詳しく解説しませんが、結論だけ覚えておいて下さい。

物や金銭の場合は、直接引渡し請求が認められ、相殺により事実上の優先弁済を受ける事ができる。

不動産の場合は、直接引渡し請求は認められない。

■■ 豆知識 ■■

最後に説明した直接引渡し請求の論点は、423条の債権者代位権の場合にもそのままあてはまります。

試験で頻出の論点なので、必ず結論と理由を覚えておきましょう。

■■ 編集後記 ■■

前回は、多くの方からアンケートにご協力いただきまして誠にありがとうございました。

まだまだ検討中の段階ですが、みなさまのご意見を参考にさせていただきます。

なお、まだアンケートは受付しておりますので、まだの人はよろしくお願い致します。

お手数ですがこちらのアンケートにご協力をお願い致します。(20秒くらいで回答できます。)

次回で詐害行為取消の条文の解説は終わりです。

条文の解説が終わったら、債権者代位と詐害行為取消の問題をいくつか出題したいと思います。

この機会に債権者代位と詐害行為取消の問題が出たら必ず正解できるというくらいにしてしまいましょう。

それでは、次回もお楽しみに。

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また、効果が出てきて楽になってきたら報告します。

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