第303号 2007・12・18

■■ はじめに ■■

みなさん、こんばんは。今日は、民法376条の解説です。

376条は、非常に複雑な条文です。

376条という条文の中に、転抵当、抵当権の譲渡、抵当権の順位譲渡、抵当権の放棄、抵当権の順位放棄という5つのことが規定されています。

似たような言葉ばかりでややこしいのですが、この条文は絶対に理解してください。

というのも、この条文は法律系の資格試験に計算問題としてほんとによく出題されるのです。

ただ、計算のやり方さえ理解してしまえば、簡単ですので、計算方法だけ覚えてしまってください。

この条文は、かなり解説が長くなりますので、今日は、転抵当についてだけ解説します。

それ以外の4つは、次回のお楽しみということで。

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それでは、さっそくはじめていきましょう。

▼▼▼ 第376条(抵当権の処分) ▼▼▼

1項
抵当権者は、その抵当権を他の債権の担保とし、又は同一の債務者に対する他の債権者の利益のためにその抵当権若しくはその順位を譲渡し、若しくは放棄することができる。

2項
前項の場合において、抵当権者が数人のためにその抵当権の処分をしたときは、その処分の利益を受ける者の権利の順位は、抵当権の登記にした付記の登記の前後による。

■■ 解説 ■■

どうでしょうか?おそらく条文だけ読めば何のことかよくわからないと思います。

まず、1項の「抵当権者は、その抵当権を他の債権の担保とし」という部分の解説です。

この部分が転抵当について規定しています。

抵当権者が有する抵当権を他の債権者の担保とすることができると規定しています。

例えば、BさんがAさんに対して500万円の債権を有しており、その債権を担保するためにAさんの土地に抵当権を設定していたとします。

その後、Bさんは、自分も金を借りる必要が生じたので、Cさんから1000万円借りました。

その際に、担保としてCさんはBさんの土地に抵当権を設定するのではなく、BさんがAさんに対して有している抵当権に対して抵当権を設定しました。

このように、抵当権にさらに抵当権を設定することを転抵当といいます。

以前に解説した転質と似たようなものです。

ただ、転抵当は、被担保債権を担保に入れるわけではなく、抵当権のみを担保にいれるのです。

ですから、転抵当権者であるCさんは、BさんがAさんに対して有する抵当権を実行して優先弁済を受けることはできますが、BさんのAさんに対する債権を行使するというようなことはできません。

それから、これは転質と同じような考え方なのですが、転抵当権者であるCさんは、Bさんに対して1000万円の債権を有していますが、抵当権を実行したとしても優先弁済を受けることができるのは、原抵当権の500万円の範囲に限られます。

Cさんの有する転抵当というのは、BさんがAさんに対して有する500万円の抵当権に乗っかっているだけだからです。

Aさんからしても、500万円の債権のために抵当権を設定したはずなのに、自分の知らないところで勝手に転抵当とかを設定されて、いきなり1000万円持っていかれるということになればかわいそうですよね。

■■ 豆知識 ■■

転抵当権について2つだけ豆知識を紹介しておきます。

さきほどの転抵当の性質から考えれば納得できると思いますので、一度考えてみてください。

1、転抵当権を実行するには、原抵当権の被担保債権の弁済期が到来することが必要である。

2、競売代金については、まず転抵当権者が配当を受け、残金があれば原抵当権者にも配当される。

ちなみに、原抵当権というのは、さきほどの具体例でいうと、BがAに対して有している抵当権のことをいいます。

■■ 編集後記 ■■

今日は、転抵当権の解説だけにしておきます。

次回、計算方法について解説したいと思います。

もしかすると、2回くらいに分けての解説になるかもしれませんが。

抵当権の放棄とか抵当権の順位譲渡とかの計算が苦手な方もいると思いますが、次回解説する計算方法でやれば必ず得意になるはずです。

一度マスターすれば、ほんとに簡単ですし、むしろ得点源にすることができるので楽しみにしておいてください。

それでは、次回もお楽しみに!!

発行:株式会社シグマデザイン
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