第130号 2006・2・8

■■ はじめに ■■

みなさん、おはようございます。今日は、130号ということで、民法153条の解説です。

この153条は、催告に関する条文でかなり重要な条文です。

法律系の資格試験にも頻出の部分なので、しっかりと理解して覚えておいてください。

▼▼▼ 第153条 (催告) ▼▼▼

催告は、6箇月以内に、裁判上の請求、支払い督促の申し立て、和解の申し立て、民事調停法若しくは家事審判法による調停の申し立て、破産手続参加、再生手続参加、更正手続参加、差押え、仮差押え又は仮処分をしなければ、時効の中断の効力を生じない。

■■ 解説 ■■

さて、以前にも何回か「催告」という言葉は出てきました。

催告というのは、裁判外で、債権者が債務者に対して履行を請求することといいます。

似たような概念として「請求」(147条1号)というのがありましたよね。

「請求」は、何らかの裁判上の手続きを経ているものをいいます。

そして、請求がなされると147条1号で、時効が中断します。

そして、催告ですが、催告をしても完全な事効中断効は生じません。

催告をした後に、新たに裁判上の請求などをして始めて完全な時効中断効が生じるのです。

これを定めたのが、153条です。

では、なぜこのような規定があるのでしょうか?

例えば、AさんがBさんに100万円を貸していたとします。

そして、その後、10年間経過すると100万円の債権は時効によって消滅します(167条1項)。

そこで、Aさんは時効を中断させたいわけですよね。

この場合、9年11ヶ月が経過していた時点で、Aさんはふと思い出して、時効の中断をしようと思いました。

時効の中断をするには、「請求」をすることが必要です。

しかし、請求というのは、裁判所に訴える必要があります。

そして、裁判所に訴えるというのは金もかかるし、いろいろな手続きも必要ですし、すぐに1ヶ月くらい経過してしまいます。

請求しようとして、準備している間に1ヶ月すぎると、10年が経過したことになりますので、時効によって100万円の債権は消滅してしまいます。

これは、ちょっとかわいそうですよね。

そこで、とりあえず時効の中断を認める必要があるのです。

それが、「催告」というわけです。

つまり、催告というのは、さきほども説明したように、裁判外でなすものなので、簡単にできるわけです。

一番典型例は、内容証明郵便を送るということです。

内容証明郵便を送るくらいであれば、2,3日もあればできるので、時効完成する直前であっても間に合うのです。

そこで、とりあえずの時効中断を認めるためにこの153条が規定されたのです。

ただ、とりあえずの時効中断ですので、完全に時効を中断したければ、その後6ヶ月以内にきちんと裁判上の請求をしなさいよ、ということです。

■■ 豆知識 ■■

少し細かいですが、とりあえず、催告にあたるとされた判例を紹介しておきます。

ただ、これだけ読んでもわからないと思いますので、無視していただいてもかまいません。

1、留置権の抗弁には、催告としての時効中断の効力が訴訟継続中は生じる。

2、手形の呈示をともなわない催告でも、催告としての時効中断の効力が生じる。

■■ 編集後記 ■■

法律に限らず、何でもそうですが、勉強というのは効率性も大事だということを実感しております。

高校や大学受験の先生は、とにかく気合と根性という教え方をする人が多いような気がしますが、もちろんそれも大事なのですが、それだけではダメなんですよね。

到達点に必要な能力と自分の能力を比較して、そのギャップを埋めていくことが必要です。

そして、その足りない部分だけを徹底的に強化する必要があるんですよね。

それを分かっていない状態で努力をしても、ムダにはなりませんが、効率は間違いなく悪いですよね。

ほんとに、そういう意味で戦略を練るとか、方向性を明確にするというのは大事です。

という私も、全然できてないんですけどね(^O^)

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