第299号 2007・11・27

■■ はじめに ■■

みなさん、こんばんは。今日は、民法372条の解説です。

372条は、準用条文ですので、解説はすぐに終わります。

ただ、少し難しい論点がありますので、少しだけそれについて解説したいと思います。

さて、みなさんは、ショートカットキーっていう言葉をご存知でしょうか?

マウスでやる操作をキーボードだけでできるという素晴らしいものです。

Ctrl+Cでコピーができるっていうやつです。

私は、ショートカットキーマニアで、ノートPCを使うときは、マウスは全く使いません。

ショートカットキーを使いこなすと、マウスに手を移動させる時間が省略できますので、仕事スピードが格段に速くなります。

ぜひ、みなさんもショートカットキーをマスターしてください。

ちなみに、大手の企業では、マウスを使わせないで研修をしているところもあるそうです。

それでは、さっそく始めていきましょう。

▼▼▼ 第372条 ▼▼▼

第296条、第304条および351条の規定は、抵当権について準用する。

■■ 解説 ■■

296条というのは、不可分性の条文、304条というのは、物上代位の条文、351条というのは、求償権の条文です。これらの条文が抵当権についても準用されることを規定しています。

それでは、なぜ、これらの条文が準用されているのでしょうか?答えは簡単ですよね。

いつも言っていますが、勉強というのは、マクロな視点とミクロな視点を併用しなければなりません。

今、372条という条文に注目しているのがミクロな視点です。

しかし、それだけではダメです。

マクロな視点で民法を見ると、372条というのは、第2編の物権編の中にあることに気づきます。

さらに、物権編の中でも担保物権の中の一つです。

つまり、抵当権にも担保物権全般に認められる通有性が認められるということです。

担保物権の通有性というのは、付従性、随伴性、不可分性、物上代位性です。

これで、296条の不可分性の条文、304条の物上代位の条文が準用されている理由が理解できましたよね。

それから、通有性とは言いませんが、他人の債務を担保したときには、求償権も認められます。

今、出てきたことはすべて一度解説していますので、よく分からないという方や、忘れたという方は、バックナンバーで確認しておいてくださいね。

■■ 豆知識 ■■

物上代位についての論点を少しだけ解説しておきます。

抵当権の物上代位の効力が及ぶ範囲が問題になるのですが、以下の3つくらいだけ覚えておいてください。

1、目的物の売却代金

2、目的物の滅失・毀損による損害賠償請求権

3、保険金請求権

ちょっと、難しい話ですので、気にする必要はありません。

■■ 編集後記 ■■

今日は、民法の思考方法を紹介しました。

難しく感じたかもしれませんが、こういう考え方のクセをつけておくことが大事です。

とにかく考えることが大事です。

覚えるというのは、最後の手段にしましょうね。

ちなみに、今日覚えなければならない結論は、抵当権にも、不可分性、物上代位、求償権が認められるということです。

それでは、次回もお楽しみに!!

発行:株式会社シグマデザイン
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なお、配信解除希望とのメールをいただくことがあるのですが当方では応じることができません。解除フォームよりご自身で解除していただきますようお願いいたします。

(裏編集後記)

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バックナンバーを公開しているサイトですが、デザインを大きく変更しました。

できるだけ文章が読みやすいようなデザインに変えました。

 

ただ、幅をかなり広く取ったので、解像度の低いモニタであれば、入りきらないので見にくいかもしれません。

検索機能が使えるので、復習する時などに使っていただければうれしいです。

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