第229号 2006・12・7
■■ はじめに ■■
みなさん、おはようございます。ノロウィルスにかかってしまい、久しぶりの配信となりました。
前回は、留置権の概要を解説しましたので、今回から条文の解説に入っていきたいと思います。
さて、昨日の日経新聞に株式配当が大幅に増加したという記事が載っていました。
日本の株式市場は、かなり低迷していましたが、2,3年くらい前から急に盛り上がっています。
それなりのリスクはありますが、銀行などに貯金して遊ばせているよりは、株式に投資した方がいいのでしょうね。
それでは、はじめていきましょう!!
▼▼▼ 第295条(留置権の内容) ▼▼▼
1項
他人の物の占有者は、その物に関して生じた債権を有するときは、その債権の弁済を受けるまで、その物を留置することができる。ただし、その債権が弁済期にないときは、この限りでない。
2項
前項の規定は、占有が不法行為によって始まった場合には、適用しない。
■■ 解説 ■■
さて、どうでしょうか?
この民法295条は、留置権の内容という表題がついていますが、中身としては、要件と効果を規定している条文です。
要件と効果を規定している条文ですので、極めて重要な条文です。効果については、前回解説しましたよね。
簡単に言うと、「金を払うまで、物は返さないぞ!」と言えるということです。
債権の弁済を受けるまでは、物を留置しておくことができるのが留置権の効力です。
では、どうすれば、そのような効果の発生が認められるのでしょうか?
それは、留置権の要件を充たした場合ですよね。
そして、留置権の要件はこの民法295条が規定しています。
〜留置権の要件〜
1、債権と物との牽連性(「その物に関して生じた債権を有する」)
2、債権が弁済期にあること
3、留置権者が他人の物を占有していること
4、占有が不法行為によって始まったものでないこと(2項)
この4つの要件を充たせば留置権は成立します。
この4つの要件が、295条1項、2項のどの文言から出てくるのかじっくりと考えてみてください。
次回から、一つ一つの要件を解説していきます。
留置権は、本当に大事な条文ですのでゆっくり解説したいと思います。
■■ 豆知識 ■■
留置権は、物権だということに注意しましょう。
物権は、直接性と排他性を有していましたよね。
わからない方は、バックナンバーを参考にしてください。
つまり、留置権がいったん成立すると、その効力は誰に対しても主張することができることになります。
■■ 編集後記 ■■
留置権の解説に入っていますが、どうでしょうか?
難しいとは思いますが、要件と効果を意識していれば、混乱することを防ぐことができるはずです。
ほんとに民法は、要件と効果に尽きます。ある権利を主張するということは、効果を主張するということなのです。
そして、効果を主張するためには、要件を充たしている必要があります。
つまり、ある権利を主張したい場合には、その要件を充たしているかどうかを検討することになります。
この思考プロセスが民法の全てです。
すべての場面において、要件と効果を意識した勉強をしましょう。
それでは、次回もお楽しみに!!
発行:株式会社シグマデザイン
http://www.sigmadesign.co.jp/ja/
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(裏編集後記)
受験生におすすめの在宅アルバイト。簡単な文章を入力するだけでお小遣い稼ぎができます。文章を書く訓練にもなって一石二鳥のお仕事です。
大流行のノロウィルスですが、友達がかかったと聞いて、バカにして笑っていました。
そのすぐ後に、自分もノロウィルスにかかっていまいました(∩.∩)
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