第203号 2006・9・5

■■ はじめに ■■

みなさん、こんにちわ。今回は、民法253条を解説したいと思います。

民法253条は、内容自体は難しくない条文ですが、法律系の資格試験では、よく知識問題として出題されますので、覚えてしまった方がいいでしょう。

覚えてしまえば、点数を取ることができるので、受験を考えておられる方は、絶対に覚えてくださいね。

それでは、はじめていきましょう!!

▼▼▼ 第253条(共有物に関する負担) ▼▼▼

1項
各共有者は、その持分に応じ、管理の費用を支払い、その他共有物に関する負担を負う。

2項
共有者が1年以内に前項の義務を履行しないときは、他の共有者は、相当の償金を支払ってその者の持分を取得することができる。

■■ 解説 ■■

さて、今日も共有の解説です。

ただ、さきほども言いましたが、内容は難しくありません。

すぐに理解することができますので、1回読んで覚えてしまってください。まず、1項です。共有物について、管理の費用などが生じた場合は、各共有者は、持分に応じてその費用を負担することになります。

例えば、甲という土地をA、B、Cさんが3人で共有していたとします。(持分は、それぞれ等しいものとします。)

この場合、甲土地に、有害な物質が何者かによって捨てられていたので、それを捨てるために、Aさんは、業者に120万円支払って、その有害物質を除去しました。

このような、共有物について生じた費用は、各共有者が持分に応じて負担することになりますので、A、B、Cさんはそれぞれ40万円(120×3分の1)づつ負担することになります。

したがって、Aさんは、B、Cさんに対して、それぞれ40万円づつ支払いを請求することができます。

これを規定しているのが、民法253条1項です。次に2項です。

さきほどの事例で、Bさんは40万円を支払いましたが、Cさんは、1年以上40万円を支払わなかったとします。

この場合、自己の負担部分についての費用を支払ったAさんと、Bさんは、Cさんが支払わなければならない40万円を支払うことによって、Cさんの共有物についての持分自体を取得することができるのです。

本来負担するはずの、費用を支払わないような者と一緒に物を共有しているというのは、いい気分ではありませんよね。

ですから、その場合には、ある程度の償金を支払うことによって、その人の持分を取り上げることを認めているのです。これが、民法253条2項です。

■■ 豆知識 ■■

細かい知識ですので、覚える必要はないと思います。

1項で、持分に応じて費用を負担するといいましたが、これは内部における負担割合についての規定で、外部の者との間では、不可分債務を負います。

不可分債務というのは、ずーっと後に出てくる言葉ですので、今はわからなくてもかまいません。

■■ 編集後記 ■■

今日は、内容は簡単だったかと思います。

こんな内容の条文があったんだ、ということを頭の片隅に入れておいてください。記憶には大きくわけて2段階あると思います。

何も見ずに、すらすらた暗唱することができるレベルと、何かを見たり聞いたりして、「あー、そういば・・」と言って思い出すことができるレベルです。

今日、解説した民法253条は、後者のレベルの記憶で十分かと思います。

それでは、次回も頑張っていきましょう!!

発行:株式会社シグマデザイン
http://www.sigmadesign.co.jp/ja/

日本で実施されている資格を調べるには資格キングをご利用下さい。

なお、配信解除希望とのメールをいただくことがあるのですが当方では応じることができません。解除フォームよりご自身で解除していただきますようお願いいたします。

(裏編集後記)

受験生におすすめの在宅アルバイト。簡単な文章を入力するだけでお小遣い稼ぎができます。文章を書く訓練にもなって一石二鳥のお仕事です。

これからは、産業革命以来の大変革が起こり、情報化社会に入ります。

情報起業というのは、これからの時代にあったビジネスモデルかもしれませんね。

価値のある情報を提供することが大前提ですが。

このサイトは、まぐまぐより発行している無料メルマガのバックナンバーです。最新号を早く読みたい場合は、無料メルマガの登録をお願いします。登録はこちらから。

【YouTube】独学応援!行政書士塾

YouTubeで行政書士試験対策講座を配信しています!ぜひチャンネル登録を!

管理人の著書

【行政書士試験の最短デジタル合格勉強法。iPadを活用した新時代の勉強法】Amazonで絶賛販売中!

メールマガジン登録

このサイトは、まぐまぐより発行している無料メルマガのバックナンバーです。最新号を早く読みたい場合は、無料メルマガの登録をお願いします。登録はこちらから。

民法のおすすめの本

↓民法基本書の定番である内田民法!民法を勉強するなら必ず持っておきたい基本書の一つです。

民法1 第4版

↓司法試験受験生の間で圧倒的な支持を得ている伊藤塾のテキストです。司法試験、司法書士、行政書士の受験対策や大学の学部試験対策に最高のテキスト。

伊藤真試験対策講座1 民法総則

↓民法の偉大な学者である我妻先生が民法の条文を一つずつ徹底的に解説されています。条文の趣旨や要件・効果などを調べたい時に辞書のように使うと便利な本です。

我妻・有泉コンメンタール民法—総則・物権・債権