第132号 2006・2・16

■■ はじめに ■■

みなさん、おはようございます。今週は、メルマガの発行を休むつもりだったのですが、少し時間が取れましたので、発行することにしました。

今日は、132号ということで、民法155条の解説です。

ただ、今日の解説は、後に出てくる連帯保証や連帯債務の規定の部分とも関連してくるので、非常にややこしいと思います。

今は、完全に理解することは難しいと思いますので、とりあえず、一応のことだけ理解しておいてください。

あとで、連帯保証などの部分を解説したあとに、この155条を読むとよくわかると思います。

▼▼▼ 民法 第155条  ▼▼▼

差押え、仮差押え及び仮処分は、時効の利益を受ける者に対してしないときは、その者に通知をした後でなければ、時効の中断の効力を生じない。

■■ 解説 ■■

以前に、148条の部分で時効中断の相対効という話をしました。

時効の中断の効力は、中断の事由が生じた当事者などにしか生じないということです。

そのことの趣旨から、この155条は規定されています。

つまり、差押えなどが、時効の利益を受ける者以外の者に対してなされたときは、時効の利益を受ける者に対して通知をしなければ、時効の中断の効力は生じないのです。

とりあえず、こういう規定があるということだけ覚えておいてください。

ここからは、非常に難しいので、読み飛ばしていただいてもかまいません。

例によって、具体例を挙げて説明します。

Aさんが、Bさんに100万円を貸しました。

そして、そのBさんの債務について、Cさんが連帯保証をして、Dさんが自分の土地に抵当権を設定しました。

このように、Dさんのように債務者ではないが、土地などの自分の物を担保に差し出した人を物上保証人(ぶつじょうほしょうにん)といいます。

A −−−→ B(主債務者)

  −−−→ C(連帯保証人)

  −−−→ D(物上保証人)

この時、Aさんは、Dさんの土地についている抵当権についての競売申立てをし、Cさんに対して競売開始決定の送達をしました。

この場合、時効の利益を受ける主債務者であるAさんに対しては何もなされていません。

ですから、時効の中断の効力はAさんには生じないのです。

こう考えると、何も難しくはありません。

155条のままです。ただ、時効中断の相対効には例外があって、連帯保証人に対して請求がなされると、主債務者に対しても時効の中断の効力が生じるのです。

とすると、連帯保証人であるCさんに競売開始決定の送達がなされているのだから、それを請求とみて、主債務者であるBさんにも時効中断の効力が及ぶのではないかという疑問が生じるのです。

しかし、判例はこれを否定しました。

つまり、競売開始決定の送達は請求にはあたらないと考えて、主債務者Bさんとの関係では時効の中断の効力が生じないとしたのです。

したがって、さきほどの具体例のような場合が、155条の適用が問題になる場面ということです。

■■ 豆知識 ■■

前回、出題した問題の解説をします。

もう一度確認のために問題を紹介しておきます。

Aは、現在、27歳であるが、11年前、親権者である両親の同意を得ずに、Bから1ヵ月後に返済するとの約束で20万円を借り受けたところ、突如、Bからその返済を求められた。Aは、11年前のBとの消費貸借契約の際に、「この債務の消滅時効の期間は、12年とする。」旨を約束していたとしても、消滅時効を援用して返済を免れることができる。

さて、どうでしょう?

まず、答えは「正しい」です。

簡単に解説をすると、まず11年前に20万円を借りているので、16歳の時に契約をしたということになります。

とすると、現在27歳ですので、11年が経過しています。

ですから、10年が経過しているので、167条1項で、消滅時効を援用できそうです。

ただ、契約時に「消滅時効の期間は12年とする」ということを約束していました。

仮にこの契約が有効だとすると、まだ12年経過していないので、消滅時効を援用することはできません。

しかし、146条であらかじめ消滅時効の放棄をすることはできないと規定されていました。

そして、このように期間を長くすることも許されませんでした。

ですから、この消滅時効を12年とするという約束は無効になります。

そこで、原則どおり、10年が経過していますので、消滅時効を援用することができるのです。

したがって、正解は「正しい」ということになります。

■■ 編集後記 ■■

今日の解説は、ほんとうに難しかったと思います。

とりあえず、こんな規定があったということだけ知っておけば十分です。

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