第113号 2006・1・15

■■ はじめに ■■

みなさん、おはようございます。

128条の説明に入る予定だったのですが、昨日は、3項の説明をするのを忘れていましたので、今日は3項の説明をしたいと思います。

それでは、さっそく行きましょう!!

第127条(条件が成就した場合の効果)

1項
停止条件付法律行為は、停止条件が成就した時からその効力を生ずる。

2項
解除条件付法律行為は、解除条件が成就した時からその効力を失う。

3項
当事者が条件が成就した場合にの効果をその成就した時以前にさかのぼらせる意志を表示したときは、その意思に従う。

■■ 解説 ■■

1項は、「成就した時からその効力を生ずる」。

2項は、「成就した時からその効力を失う」と規定されています。

つまり、条件が成就した時から効力が発生したり、消滅したりするのです。

決して、遡って効力が発生したり、消滅したりするのではありませんので注意してください。

121条で、取り消しの効果について説明しましたが、取り消しの場合は遡って契約は無かったことになります。

ごっちゃにしないようにしてくださいね。

ただ、そこで登場するのが3項です。

当事者の特段の意思表示がない場合には、先ほど説明したとおり、その時から効力が発生したり、消滅したりするのですが、3項は、当事者の意思表示があれば、その効力の発生や消滅を遡らせることができると規定しています。

民法には、「私的自治の原則」と言う大原則があります。

つまり、どんな契約をするのかは自由なのです。

ですから、当事者がそのような意思表示をすればそれに従うことになります。

3項は、かかる私的自治の原則を具体化した規定です。

ここで、ちょっとしたテストです。

私的自治の原則があるから、どんな契約をするかは当事者の自由とさきほどいいました。

しかし、全く自由ではなかったですよね。

さて、それは何でしょうか?

そうです。一番典型的なのが90条でしたよね。

公序良俗に反するような契約は当事者の意思であっても無効になります。

思い出せないという方は、バックナンバーを参考にしてくださいね。

■■ 豆知識 ■■

ここからは難しいので、読み飛ばしていただいてもかまいません。

さきほど、3項で、効力を遡らせることができると言いましが、遡らせるとどうなるのでしょうか。

これは703条、704条の部分で説明する不当利得もからみますので、ややこしいのですが、遡らせると、初めから「法律の原因」がなかったということになって利息などの問題が発生するのです。

遡らせるかどうかは意外と重要なことなのです。

■■ 編集後記 ■■

ちょっとした用事で、久しぶりに大阪に行ってきました。

やっぱり人が多いですねー。でも、活気があってなかなか楽しかったです(^O^)

しばらく行くことはないと思いますが、また時間のある時にでも遊びに行きたいと思います。

発行:株式会社シグマデザイン
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